個別株、ETF(上場投資信託)など主な特徴を比較
2024年から新たに「新NISA」として再スタートを切ったNISA制度。
新NISAでは、非課税保有期間が無期限となっただけでなく、年間投資額が大幅に増額されたことで、より長期的な資産運用に挑戦しやすくなりました。
なかには新NISAの話題に乗り一度はじめてみたものの、ネクストアクションがわからず困っている人もいるのではないでしょうか。
今回は実際の調査データを交えながら、新NISAの「次の一手」として検討できる商品をご紹介します。
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【新NISA】投資している・していない人で世帯年収に差がある?
カネとホンネ調査研究所は、都市部に居住する20〜59歳で会社員の男女505名を対象に、資産運用についてのアンケート調査を実施。
新NISAスタートの背後で、サラリーマンの二極化が進んでいる様子が浮き彫りとなりました。調査概要は下記のとおりです。
- 調査方法:Webアンケート
- 調査対象:都市部(東京、愛知、大阪、福岡)居住、20~59歳で会社員の男女
- アンケート母数:505名
- 調査期間:2023年12月18日
- 調査会社:カネとホンネ調査研究所
- リリース公開日:2024年1月30日
9割以上の投資実践者が「新NISA」に関心あり
カネとホンネ調査研究所の調査によると、今年から始まった新NISAに対する意向を聞いたところ、9割以上の投資実践者が関心を示す結果となりました。
すでに投資経験のある人にとっては関心の強い内容のようですが、一方で投資をしていない人の場合は関心を示したのは3割程度にとどまりました。
また、同調査で新NISAに関心があると回答した人に対して、新NISAを始めた場合の月の投資額を聞いたところ、平均6万1000円、中央値3万円という結果に。
新NISAでは年間投資額が大幅に増額されましたが、無理のない範囲で投資を考えている人が多いとうかがえます。
長期的に計画を立てることで、ある程度軽減できると考えられている積立投資のリスク。
やはり最初は、制度の構造を理解する意味でも安定志向の高い選択を取る人が少なくないでしょう。
それでは、一旦見様見真似でスタートさせたものの、その後どうすればよいのでしょうか。
新NISAに慣れた人こそ検討したい「商品選び」、どういったものがある?
次の一手として、投資先を再検討してみるのがよいでしょう。新NISAの次の一手として検討できる投資銘柄を3選、まとめました。
日本の個別株
投資信託のみで新NISAでの運用を行ってきた方は、まず「成長投資枠」を利用した日本の個別株投資を検討してみましょう。
個別株投資をする際もインデックス投資信託などと同じように、長期にわたり安定した成長が期待できる業種や企業を選びましょう。
また、自分にとって身近なサービスや産業の中から、期待できる企業を探すのも一案です。
順調に成長する銘柄をうまく選べば、多数の銘柄の値動きの影響を受ける投資信託よりも早いペースでの資産成長につながります。
また、個別株はそれぞれ定期的に配当を出したり「株主優待」を付与したりする場合があります。
配当付与に積極的な企業へ投資すれば、投資信託の分配金よりも潤沢な配当収入が継続的に得られるでしょう。
とくに、株主優待は個別株ならではの魅力。銘柄により投資先の企業の商品・サービスを受け取れる可能性があります。
身近な企業の中から「応援」するように投資先を選び、成長性を追求したい方は日本株へ投資するのもひとつです。
アクティブ投資信託
市場指数を上回ることを目指す、アクティブ投資信託を保有するのも一案です。
新NISAの「つみたて投資枠」は、対象銘柄の多くが市場指数に連動することを目指すインデックス投資信託となっています。一方「成長投資枠」ならば、多くのアクティブ投資信託も投資可能です。
アクティブ投資信託は、うまく銘柄を選べばインデックス投資信託より高成長が期待できる可能性があります。
反面、運用期間中にかかる信託報酬がインデックス投資信託より高い傾向があるので注意が必要です。また、目標通り市場指数を上回れない銘柄もあります。
銘柄ごとのコンセプトや投資先、過去の運用実績、実際に資産を運用する運用会社の強みなどを分析して、市場指数を上回るリターンが期待できる銘柄をうまく選んで投資しましょう。
自分の投資や市場に対する考え方に沿ったファンドに投資し、市場平均を上回るリターンを追求したいなら、アクティブ投資信託を検討してみましょう。
ETF(上場投資信託)
ETFとは「上場投資信託」といって、証券取引所で株のように売買できる投資信託のこと。株の取引時間中であれば、リアルタイムで売買ができ、柔軟に対応できるのが特徴です。
しかし、ETFはあくまで投資信託なので、投資資金は運用会社により多数の銘柄に分散投資されます。
資産規模が膨らんできて「いざというときには売却できるようにしておきたい」「資産の一部は柔軟に売却したい」と考えている方に適した商品といえるでしょう。
また、国内ETFは多くがインデックス運用。値動きはリアルタイムで変動していても、投資の基本的なルールはインデックス投資信託と似ています。
「投資銘柄を増やしたいけれど、個別株はリスクが高い」と感じる方にもおすすめです。
先進国、新興国…新NISA初心者は「インデックス投資」も検討を
一方で、投資経験がなく、慣れていない初心者が検討すべき商品はどういったものが挙げられるでしょうか。
今回は、初心者が新NISAで検討しやすい金融商品「インデックス投資信託」と特徴をサクッと確認していきましょう。
新NISA「インデックス投資信託」の特徴とは
インデックス投資信託とは、日本の東証株価指数やアメリカのS&P500などの経済指標と同じような値動きをする商品です。
手数料が低く、1つの商品でさまざまな会社に分散投資がされているので、個別株式などに比べると、比較的リスクが低いと言われています。
インデックス投資信託の中でも、信託報酬(手数料)が低い商品かつ、多くの投資家から注目を集めている人気ランキング上位の商品であれば商品に関する情報も多く、より安心して投資を続けられるかもしれませんね。
さらに、インデックス投資信託の投資先として、アメリカや日本などの先進国の方が、ブラジルや中国などの新興国に比べて、ローリスクローリターンだと言われています。
少しリスクをとりながら大きな利益を狙いたい方は、新興国のインデックス投資信託と先進国のインデックス投資信託に分散投資をしながら保有するのがおすすめです。
老後資金づくりの手段のひとつに「新NISA」も検討して
慣れていない人にとってお金を動かす「資産運用」は難しそうに見えるもの。しかし、いくつかの重要なポイントを抑えれば、証券会社選びや商品選びも簡単に行えます。
しかし、日常生活を脅かすほどの投資はライフプランを崩しかねません。元本割れのリスクもあるので、何事もバランスが大切です。
投資についての知識をつける労力などがネックにはなりますが、労働以外の方法でお金を増やせる点は魅力といえます。投資経験があり、慣れてきたら商品を再検討するのもよいかもしれません。
とくに新NISAの成長投資枠では多様な銘柄に投資できるので、さらなる資産成長を目指してみてください。
参考資料
- カネとホンネ調査研究所「【調査レポート】新NISA、歓迎する声と投資どころではない現実」
- 金融庁「新しいNISA」
- 金融庁「つみたて投資枠 投資対象商品」