小林製薬、腎疾患等の入院症例26件 企業向け紅こうじ原料販売は52社

Atsuko Aoyama

[東京 25日 ロイター] - 小林製薬は25日、「紅麹(こうじ)」関連製品に意図しない成分が含まれるとして自主回収した問題で、電話窓口での情報提供などから24日時点で把握している腎疾患等の入院症例数が26件だと発表した。企業向けにも回収対象の原料を販売するが、その取引先が52社に上ることも公表。取引先やその関係先での販売と使用を控えることや、流通在庫を含め紅麹原料を使用した製品の回収を要請しているという。

小林製薬によると、2023年に製造した紅麹原料は18.5トン。自主回収を発表した機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」などに使用する紅麹原料が2.4トンに対して、企業向けは紅麹コレステヘルプなどに使用しているものと同じ紅麹原料が6.9トン。一部に想定していない成分を含んでいることを確認している。

企業向けで紅麹コレステヘルプなどに使用するものと異なる紅麹原料は9.2トンで、想定していない成分は含まれていないことを確認したとしている。

24日時点で、子会社の小林製薬バリューサポートが企業向けに販売する紅麹原料を使用した製品で腎疾患などが発生したとの連絡は受けていないという。今回の件が2024年12月期連結業績に与える影響は精査中。

小林製薬は22日、紅麹コレステヘルプの利用者に腎疾患などが発生したとの報告を受けて紅麹原料の成分を分析した結果、一部の原料に意図しない成分が含まれている可能性が判明したと発表。成分の特定や同製品の腎疾患などとの関連性の有無は確定されていないものの、健康被害が拡大することを防ぐ予防的措置として紅麹関連製品を自主回収するとしていた。

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