「野球ができればなんとかなる」女子野球で町おこし 社会人チーム発足で移住者も… 広島・安芸太田町

この春、広島・安芸太田町で社会人女子野球チームが誕生します。「野球で町おこしを!」移住を決意したメンバーを取材しました。

グラウンドでキャッチボールをしているのは社会人女子硬式野球チーム『S-TIME RRINCESS』です。4月から安芸太田町を拠点として本格始動します。

メンバーは最年少の中学1年生から23歳までの5人。そのうちの3人が初心者です。

専門学校1年 山田美鈴 さん
「野球も初めて、硬式も初めてなので、何もかもわからない・・・」

3月19日。この日は5人そろって初めての練習でした。

ことし1月からメンバー募集を開始し、まだ9人そろっていませんが、女子野球チームの誕生に早くも町は期待を寄せています。

安芸太田町の 橋本博明 町長は「人口減少が町の最大の課題です。一方で、環境のよさというのが安芸太田町の売りなんですよね。若い女性のみなさんに野球という形で安芸太田町を使っていただけると、大変うれしく思っています」と話します。

人口減少が進む安芸太田町。この女子野球チームと連携協定を結び、町内に移住者を呼び込んで、人手不足の問題や活性化の起爆剤にしたいといいます。

その第1号が三原市出身の 畑中七海 さん(18)。この春、高校を卒業したばかりです。

三原市出身 畑中七海 さん(18)
「ドキドキです。4月からは安芸太田町で働いて、土日は野球という形になると思います」

畑中さんが野球を始めたのは小学4年生です。中学1年生で一度野球から離れましたが、社会人になるのをきっかけにチャンスを求めて安芸太田町に移り住む決断をしました。4月からは町内の会社に就職予定です。

Q 移住に戸惑いは?
畑中七海 さん
「そうですね、でも野球ができると思ったら、なんとかなるかなって思っているので」

ポジションはセカンド。課題は守備ということでノック練習にはより一層力が入ります。

女子野球チームを地元の高校生も応援しています。ユニフォームは加計高校の美術部の生徒がデザインしました。

加計高校 美術部 2年生
「神楽の姫っていうところにちょっと視点を当てて、神楽の姫といったらなんか華やかで、デザインがけっこう凝っているなって思ったので、そこをイメージして…ユニフォームを着てのびのびと野球をやってほしい」

チームカラーは安芸太田町の名産「祇園坊柿」をイメージした紫です。

町の応援を背負い、走り出した『SーTIME PRINCESS』。今後のチームの目標は…

三原市出身 畑中七海 さん(18)
「まず一勝したいです」

1年後に女子野球の中四国社会人リーグ「ルビー・リーグ」への参入を目指しています。

畑中七海 さん
「チームで勝つのはもちろんなんですけど、自分たちの元気な野球を見てもらって、地域の方も元気づけられるような野球チームにしたい」

女子野球で町に活気を…今後の飛躍に注目です。

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