川嶋あいが回顧 東日本大震災 被災地でふれあった子どもたちとの「忘れられない」エピソード

川嶋あい

シンガーソングライターの川嶋あいがパーソナリティーを務めるラジオ番組『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(ラジオ関西、毎月第1・2週日曜午後5時〜)。3月10日の放送では、川嶋が東日本大震災での出来事を振り返った。

【関連】「休むことも生きること」 震災うつ乗り越えた丸岡いずみ 川嶋あいと語る、一歩先に踏み出すヒント

13年前の2011年3月11日に起こった東日本大震災。当時について「眠れない日々が続いた」と振り返った川嶋は、毎年3月になると思い出すことがあるという。それは、被災地の様子を知ったことで生まれた「ここに行きたい」という衝動から、宮城県の南三陸町に向かった日のこと。

物資を積んだトラックに乗り込んだ川嶋は、避難所で南三陸町立戸倉小学校に通う子どもたちに会うことができた。卒業を目前に控えていた子どもたちは、本来なら卒業式で川嶋の楽曲『旅立ちの日に…』を合唱する予定だった。

そんな子どもたちから投げかけられたのは、「『旅立ちの日に…』を一緒に歌ってくれませんか?」という言葉。「歌を歌えるような現状じゃないのでは」「どんな言葉もきっと届かないだろう」と思っていた川嶋だったが、彼らと一緒にアカペラで歌ったことは「いまもすごく(胸に)刻まれて、ずっとずっと耳に残ってこだましている」と胸の内を吐露した。

震災から5年が経った2016年、川嶋は「被災地の人々がどのような思いで過ごしているのか、まちの現状を自分自身の目で見て感じたい」という思いから、岩手・宮城・福島の3県を訪れた。

現地の中学生との対話で気づいたのは、「3県の中学生のみんな共通して、自分の夢と目標を確実に抱いている」ということ。これには震災が大きく影響しているようで、それぞれのエピソードに触れた川嶋は「14歳、15歳の小さな体から出てくる力強い言葉が忘れられないです」と思い返した。

震災や病気、不景気、人間関係など、さまざまなことで悩みを抱えている人に向けて、川嶋はこのようにメッセージを送った。

「私は、『無理をしない』ということ(の大切さ)を伝えたい。私自身も実践しているのは、自分一人だけで抱え込まないということ。誰か一人でもいいので、『苦しい』のひと言だけでも投げかけてほしい。話をするだけで心が軽くなって、不思議と『もうちょっと頑張ってみようかな』という気持ちが生まれてきます。なので、無理はせず、目の前の人に『苦しい』というサインを送ってほしい」(川嶋)

※ラジオ関西『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』2024年3月10日放送回より

© 株式会社ラジオ関西