国家資格の不動産鑑定士 専門家は「いらなくなる職業かも」と悲観 資格取得で得たものとは

不動産売買の事業などを展開する会社の代表が、国家資格の不動産鑑定士について、現状や持論などをラジオで語りました。

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広川勝一さん(株式会社クロス代表取締役)は、社会人1年目のときに「不動産鑑定士」の資格を取得しました。

国土交通省のホームページによると、不動産鑑定士とは、不動産の鑑定評価に関する法律により規定された国家資格。不動産の鑑定評価に関する高度の専門職業家として、不動産の鑑定評価を行うために必要な資格とされています。

具体的には、不動産の適正な価値を鑑定したり、土地の有効な使い方をコンサルティングしたりするスペシャリストで、一般的には、合格するために少なくとも2000時間以上の勉強が必要だといわれています。

不動産の価格の決め方について「(不動産に限らず)だいたいすべて一緒」と、広川さん。「イチから作った場合にいくらかかるか=コスト面からみるもの」「同じようなものがいくらで取引されているか=取引事例から評価するもの」、さらに、「あと1つは収益性。不動産を持つ、もしくは買うことで得られる効用がどれくらいかを算出して、そのバランスで評価するもの」があると説明します。

また、「基本的に大きくかい離することはないですが、人の考え方によって2割ぐらいはぶれてしまうので、いろんな要素が混ざることもある」と、鑑定の実情について明かしていました。

そんな不動産鑑定士について、番組では「ニーズはあるのですか?」と辛辣な質問も。

「正直、一般の方にニーズはない」と広川さん。「上場している企業が所有している工場や本社を売却するとき、『その価格は妥当だったのか』と気になっている株主に説明するために取得することがある」と述べます。

一方で、広川さんはこの資格について、「実は、いらなくなってしまう職業なのかも。個人的にはそう思います。たぶん将来的にはなくなってしまうと思うので、なくならないように一生懸命データのブラックボックスを続けようとしている」と、悲観的な発言もしていました。

それでも、「不動産鑑定士を保持していると不動産投資に対する知識がつく」と、広川さん。それをいかして、現在は不動産に関連する企業への投資が多くなっているそうで、「そういう意味でいくと、(不動産の)投資事業で、ある程度は利益を出させてもらっている」と、資格取得で得た利点もあげていました。

※ラジオ関西『セケンテー/ぼくらは囚われない』2024年2月17日放送回より

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