動物園工事7件で業者に便宜、姫路市係長を停職6カ月 「工事を早く終わらせたかった」

姫路市役所=姫路市安田4

 兵庫県姫路市は25日、市立動物園内の工事発注を巡り、市内の特定業者に便宜を図ったなどとして、市農林水産環境局の男性係長(57)を停職6カ月の懲戒処分にしたと発表した。

 市などによると、男性係長は2018~22年にかけて、獣舎への防鳥ネット設置など計7件の工事で相見積もりを取る際、それぞれの工事で特定の業者1社に競争相手となる業者を選ばせ、価格を調整できるよう便宜を図っていたという。

 男性係長は飼育担当として同園に約30年在籍。園内工事の発注業務も担っており、相見積もりを取って随意契約で業者を選定できる立場にあった。

 21年9月、男性係長は工事を受注した市内の建設業者に無償で自宅駐車場を改修してもらったほか、別の業者からは数千円相当の日本酒や焼酎を4回以上受け取るなどしていた。

 男性係長は市の調べに「業者を選ぶ手間を省いて工事を早く終わらせたかった」と認め、「迷惑をかけて申し訳ない」と話しているという。(井上 駿)

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