クリッパーズの不調はウエストブルック離脱が原因?「彼がどれだけ大きな存在なのか」と重鎮ピアースはリーダーシップの欠如を指摘<DUNKSHOOT>

ロサンゼルス・クリッパーズは過去9試合で3勝6敗と停滞している。現地時間3月24日(日本時間25日、日付は以下同)に本拠地クリプトドットコム・アリーナで行なわれたフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦にも、大黒柱ジョエル・エンビード抜きの相手に107-121で敗北を喫した。

カワイ・レナードにポール・ジョージ、ジェームズ・ハーデンというスーパースターを擁しながら、なぜクリッパーズは勝てないのか。かつてチームに在籍したレジェンドのポール・ピアースは、ボストン・セルティックス時代の盟友ケビン・ガーネットとともにホストを務めるポッドキャスト番組『Ticket & The Truth』で、不振の要因がラッセル・ウエストブルックの故障離脱によるリーダーシップの欠如にあると指摘した。

「ウエストブルックが抜けた今、彼らにはリーダーシップがないんだ。みんな、ウエストブルックがチームにとってどれほど大きな存在なのか、誰が言葉を発し、サイドラインでリーダーシップを発揮しているのかを理解していない。ロッカールームでも、試合中でも、ベンチでも、リーダーシップが必要なんだ。

ウエストブルックがいなくなってから、誰が彼のように言葉を発するのか考えてみてほしい。俺はカワイも、ポール・ジョージの考え方も、そしてハーデンのこともリスペクトしている。でもあそこで一番大きな声を出しているのはウエストブルックだ。彼は最も情熱的で、最もエネルギーを発しているからね。ジョージが『俺たちのプレーにはハッスルもハートもない』と言っていたが、ウエストブルックのプレーを見るたびに、それが彼の持ち味なんだと感じるよ」
今季のウエストブルックは58試合に出場(うち10試合に先発)し、平均22.6分のプレータイムで11.1点、5.1リバウンド、4.4アシスト、1.1スティール、フィールドゴール成功率45.2%、3ポイント成功率26.8%をマーク。常にチームの中心としてプレーしていた全盛期と比べるとスタッツ自体は下がっているものの、ベンチから短時間でエネルギッシュなプレーでインパクトを与え、オフコートでもリーダーの1人として仲間を鼓舞するなど、献身的な姿勢で好調のクリッパーズを陰日向で支えてきた。

しかし、3月1日の古巣ワシントン・ウィザーズ戦で左手を骨折し戦線離脱。以降チームが6勝6敗とトーンダウンしたのは、決して偶然ではないだろう。

ピアースが言うように、数字以上に大きかったウエストブルックの不在。レナード、ジョージ、ハーデンの3人は、ウエストブルックのように言葉を発するタイプではないだけに、彼らなりの方法でリーダーシップを発揮し、チームを引っ張っていってほしいところだ。

構成●ダンクシュート編集部

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