年齢と管理職の平均賃金
ある若手男性社員は、新卒で入社した会社で、会社史上最年少チームリーダーとして24歳で起用されました。やる気に満ちあふれていましたが、昇進後の給与明細を見てたった数千円しか給料が上がっていなかったことにガッカリしました。なぜ、このようなことが起きたのでしょうか。まずは年齢・役職と賃金の関係を紹介します。
厚生労働省の「令和4年 賃金構造基本統計調査」より、年齢別にみた賃金と役職別にみた賃金を見てみましょう。
図表1
<年齢における平均賃金>
出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 (2) 性別にみた賃金」
図表2
<役職における平均賃金>
出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」 (7) 役職別にみた賃金
図表1、2のデータから、20~24歳の男性の令和4年6月分の平均賃金は月額22万5000円です。一方、係長級の男性の平均賃金は月額37万9100円となっており、差としては16万円近いです。若手社員はこのデータを知っていたため非常に悩みました。チームリーダーになれば100万円以上年収が上がると大きな期待があったためです。それでは、なぜこのようなことが起こったのでしょうか?
今回の若手社員のケースではあくまで「チームリーダー」という「肩書」であり、係長や課長、部長という正式な「役職」でなく、昇給も年功賃金が優先された成果が賃金に反映する会社であったために、起こったものだったのです。そのため、期待したほどの昇給がなかったということになります。
会社を見限るか?
若手社員は会社を見限り、転職を考えています。確かに転職は年収を上げるために有効な手段ですし、近年はキャリアアップのための転職も盛んです。有力な選択肢の一つとして、おすすめできます。しかしまだ24歳と若く、社会人経験は乏しい時期です。
またチームリーダーに起用されたのですから、そのポジションにおいて、リーダースキル、マネジメントスキルなどを学ぶことができます。チームリーダーに起用されて間もないのですから、それらを学んでからの転職でも遅くなく、それらのスキルがあれば、現時点よりも好待遇な会社もみつかるかもしれません。
また年功賃金制の会社ですから、今後の昇給幅を把握しておくことも重要です。将来的には高待遇が期待できる可能性もあるためです。
まとめ
給料は仕事をするうえで、非常に重要なモチベーションです。若いうちから責任を任せられると、当然給料アップにも大きな期待を抱きますが、今回のケースと同様にうまくいかない人も多いでしょう。
しかし、給料が上がらなかったとしてもリーダースキル、マネジメントスキルなど多くのことが身につくメリットもあります。スキルがあれば、将来に向けて開ける道もあるので、会社を見限るのは十分検討してからにしましょう。
出典
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー