県の新年度予算案が修正可決 条例改正案は再議で否決

予算審議をめぐる論戦が続いた県議会で、本会議が25日再開され、予算案は修正可決されました。一方、山下知事はメガソーラー建設をめぐる条例改正案の可決を不服とし再議にかけるなど、異例の厳しいやりとりが展開されました。

25日、再開した本会議では県の新年度予算の原案が、予算審査特別委員会で否決されたことが報告されました。これに続き、自民党・無所属の会が、五條市でのメガソーラー整備の検討費用などを削除した、修正案の提案理由を説明しました。そして各会派の議員がそれぞれの立場から意見を述べた後、まず修正案について採決が行われました。

採決は日本維新の会の議員が退席する中で行われ、賛成26、反対2で可決されました。また、県の予算案の原案のうち、修正部分を除いた部分についての採決も賛成27、反対1で可決されました。これにより、県の一般会計当初予算案は修正可決された形で、4月から執行されることになりました。

一方、山下知事は予算の修正案とは別に、自民党・無所属の会が議員提案し、メガソーラー建設に関し関係市町村長の意見を尊重することを定めるなどした2つの条例改正案が可決されたことに拒否権を行使。再び審議する再議が奈良県議会で戦後初めて行われました。

そして賛成が再議の可決に必要な3分の2以上に達しなかったため、いったん可決された条例改正案は否決、廃案となりました。

厳しいやり取りが展開された県議会について議員や知事らは…。

自民党・無所属の会 川口延良議員「知事が独断で進めていく答えにならなかったということで、改めて、修正予算が可決されたということはリスタートであります。今後の奈良県の防災体制の構築をしていく非常に重要な年になると思っていますので原点に返って議論していきたい」

山下知事「修正案の内容には不満はあるわけですけれども、県民生活への著しい影響を考慮しまして修正案については再議しなかったと、それ以外の新規施策につきましては予算を認めていただきましたので、公約の達成に向けて大きく前進できるのではないかと」

また、五條市のメガソーラーについては…。

山下知事「現時点では我々としては原案以上に優れた案はないと思っていますから、その案を有識者にはかってもらうと野党会派の皆さんのご理解が得られるような中身を打ち出していければなと」

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