新居浜・乳児重体 第三者委が市長に報告書提出

第三者委員会の岡田恵委員長から報告書を受けとる石川勝行市長(左)=25日午後4時20分ごろ、新居浜市役所

 2023年5月に新居浜上部のぞみ保育園(愛媛県新居浜市中村2丁目)で生後8カ月の男児が給食中に意識を失い重体となった事故で、市の第三者委員会(委員長・岡田恵松山東雲短大准教授)は25日、原因や再発防止策をまとめた報告書を石川勝行市長に提出した。男児が離乳食の刻んだ生のリンゴ(約7ミリ)2片を口にした直後に泣いて息を吸った瞬間、リンゴが気道をふさぎ、窒息につながった可能性が高いと指摘。離乳食提供方法や誤嚥(ごえん)リスクの認識不足など複数の問題点が重なり起きたとした。

 報告書では「リンゴを提供する場合は加熱する」などの国のガイドラインに沿っていなかったと認定。ガイドラインが職員に浸透せず、事故以前も年40回、園児に生の刻んだリンゴを食べさせていた。標準化された調理マニュアルはなく現場任せで、園長は離乳食をチェックする「検食」を行わず、提供を把握していなかった。

 119番後の対応も検証。問題点として、消防の通信指令員に園側がリンゴの大きさや形状を伝えていなかった▽指令員からの胸骨圧迫との指示の重要性が正確に伝わらず、行われなかった―などを挙げた。

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