山下(飯田)2連覇 男子89キロ級 全国高校ウエイト

スナッチの2本目で127キロを挙げた山下=市総合体育館

  ●干場(飯田)73キロ級8位

 能登半島地震復興祈念第39回全国高校ウエイトリフティング競技選抜大会第2日(25日・金沢市総合体育館=金沢市、日本ウエイトリフティング協会、北國新聞社主催)男子4階級、女子2階級が行われ、男子89キロ級で山下由起(飯田)がトータル277キロで2連覇を達成した。96キロ級は辰巳航大(京都・海洋)がジャーク172キロ、トータル305キロの大会新で制した。

 山下はスナッチで127キロを挙げて2位に7キロ差を付け、ジャークの1本目で150キロをマーク。2、3本目に158キロに挑んだものの失敗した。

 辰巳は6本全ての試技を成功させ、ジャークの2本目で166キロの大会新を出すと、3本目でさらに伸ばし、トータルで2位に65キロ差を付けて優勝した。

 男子73キロ級に出場した干場勇旺(飯田)は6本全ての試技を成功させ、トータル231キロで8位だった。

 体育館のロビーで日本代表の吉田朱音(自衛隊体育学校、金沢学院大OG)と笠井武広(ALSOK)両選手のサイン会が開かれた。最終日の26日は男子102キロ級、102キロ超級、女子71キロ級、76キロ級、76キロ超級の5階級が行われる。

 ◇男子▽73キロ級 (1)碇本海晴(須磨友が丘)トータル251キロ(スナッチ113キロ、ジャーク138キロ)(2)増子創也(福島明成)250キロ(116、134)(3)野村龍之介(日川)247キロ(112、135)▽81キロ級 (1)月岡志道(鳴門渦潮)267キロ(122、145)(2)田島宗(四日市中央工)265キロ(116、149)(3)篠﨑優(前橋育英)261㌔(117、144)▽89キロ級 (1)山下由起(飯田)277キロ(127、150)(2)三宮叶夢(宇佐)271(120、151)(3)長田恵達(日大藤沢)259キロ(111、148)▽96キロ級 (1)辰巳航大(海洋)305キロ=大会新(133、172=大会新)(2)松下幸志郎(熊本西)240キロ(112、128)(3)山本大樹(笠岡工)239キロ(105、134)

 ◇女子▽59キロ級 (1)脇長葵(新居浜東)177キロ(77、100)(2)植木友香(鳥羽)154キロ(64、90)(3)森望華(柴田)142㌔(60、82)▽64キロ級 (1)須賀日和(鳥羽)162キロ(68、94)(2)大庭明莉(八幡中央)161キロ(71、90)(3)秦萌々菜(新居浜西)158キロ(72、86)

  ●前年下回り「悔しい」

 ○…山下はスナッチ1本、ジャーク2本を失敗し、表彰台でも笑顔はなかった。トータルで前年の記録を1キロ下回り「去年の自分に負けたのが悔しい」と唇をかんだ。

 ジャークの1本目で150キロを記録した直後、他の選手が最終試技で151キロをマーク。152キロで完全優勝を狙う選択肢もあったが「この大会に出るまで多くの人のお世話になった。自分の最大の力を見てほしかった」と158キロに挑んだ。

 地震後3週間は全くバーベルに触れられず、避難先の金沢で1月下旬に練習を再開。2月12日に珠洲市に戻ってからは、傾いた飯田高野球部の部室で汗を流した。「競技に専念できる自分はぜいたく。結果を出して能登の人に元気になってほしい」と飛躍を誓った。

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