同じクラスから沖展新人賞2人! 浦添工業高校2年の比嘉杏佳さん(彫刻)と余力百香さん(書芸) 「これからも切磋琢磨」

新人賞を受賞し、自分の作品の側に立つ比嘉杏佳さん(右)と余力百香さん=22日、浦添市・ANAアリーナ浦添

[沖展2024 75tn OKITEN EXHIBITION]

 ANAアリーナ浦添で開催中の第75回沖展(主催・沖縄タイムス社)で、浦添工業高校デザイン科2年生の比嘉杏佳さん(17)と余力百香さん(17)がそれぞれ彫刻と書芸でe-no新人賞に輝いた。同じクラスの2人は個々でいろいろな表現活動に取り組んでおり、「これからも切磋琢磨(せっさたくま)して腕を磨きたい」と創作意欲を燃やしている。(浦添西原担当・比嘉直志)

 比嘉さんは、木で心臓を模した造形物「芽吹く鼓動」を作り上げた。作品は高さ170センチ、幅45センチ、重さ20キロ。竹で骨組みを作って表面に木の皮を張り、さらに枝で血管を表現した。全体的には重厚感が漂う色調だが、緑色の若葉をワンポイント的に入れて躍動する生命を表現した。

 枝が交差するように入り組んだ木の写真を先生から見せられ、着想を得たという。「自然が生み出す造形美を表現したかった。将来は見る人の心に訴えかける作品を送り出したい」と意欲を示した。

 余力さんは、琉球王国時代に中国へ渡った詩人が旅先での情景を詠んだ「蔡大鼎詩(さいたいていし)」に挑戦した。字に自らの思いを込めるため、筆の動きに注意を払ったという。「是」「鱗」「至」などは迫力を求める一方、繊細な筆遣いで墨の濃淡や細い線を書き上げた。

 習字は6歳から始めた。「書いていると心が落ち着く」と語る。「同じ字でも、書くたびに形が変わり奥が深い。沖展賞を目指して続けていきたい」と笑顔を見せた。

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