【同性婚訴訟の争点】“両性“とは“男女“のこと?なぜ上告? 札幌高裁は同性婚認めぬ法制度を違憲判断 原告が最高裁に上告「国会に速やかな立法求めたい」

同性どうしの結婚をめぐり、3月、札幌高等裁判所は結婚を認めない現在の制度は憲法に違反するという判断を示しました。原告側は判決を歓迎した一方、「国会に速やかな立法を求めたい」として最高裁判所に上告しました。たたかいの舞台は最高裁判所に移ることになります。

争点は「“両性“とは“男女“のことなのか」

争点となったのは憲法24条1項の規定

今回の裁判では、民法や戸籍法の規定が同性婚を認めないのは、憲法に違反しているかという点が争点でした。その中でも特に争点となったのは、憲法24条1項の規定です。「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立」すると書かれていますが、争点となったのは「両性」とは「男女」のことなのかという点。国側は合憲だとする一方、原告は違憲だと主張が対立していました。3月14日の札幌高裁判決では「人と人の間の自由な結びつきとしての婚姻をも定める」と違憲だと認められました。同性間の婚姻も異性間と同じように保証されるべきであると、全国初の判断となりました。

なぜ上告?

なぜ上告にいたったのか…

原告側の主張が認められたのに、3月25日、なぜ上告にいたったのでしょうか。札幌高裁判決が出た翌日3月15日、岸田総理大臣は「同性婚を認めることは憲法上想定されていない」と発言し、政府のこれまでの見解を主張しました。これを受けて、原告側の弁護団は「国会・政府を動かすには最高裁の判断を仰がねばならない」と今回、上告することになりました。最高裁でどのような判決が出されて、その後、国会でどのような見解が示されるのか注目されます。

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