東日本高速会社/圏央道・芝山トンネル貫通記念式典開く、施工は大林・岩田地崎JV

◇通り初めや鏡開きで祝う
建設中の首都圏中央連絡自動車道千葉県区間(大栄ICT~松尾横芝IC)で唯一のトンネルとなる芝山トンネルが貫通し25日、千葉県芝山町殿部田の現地で記念式典が開かれた。施工関係者ら約80人が参加し、通り初めや鏡開き、万歳三唱で無事貫通を祝った。浅い土かぶりと崩れやすい砂質の地山により難工事となったが、無事故無災害で貫通を達成した。今後は覆工などを経て2026年度中の開通を目指す。施工は大林組・岩田地崎建設JVが担当した。
実貫通は2月28日。今回は発注者や地元関係者を招いて貫通式典を行った。渡り初めでは麻生孝之芝山町長、平山富子多古町長ら地元関係者に続き、笹原壮雄東日本高速道路千葉工事事務所長、山本裕一関東地方整備局千葉国道事務所副所長らが貫通点を通って握手を交わした。大林組の岡重洋東京本店土木事業部統括部長と吉田直土木の佐野博昭社長の発声で万歳三唱した。
式典で麻生町長は「2月の実貫通の瞬間にも立ち会わせてもらい貫通の光がまさに地域を照らす希望の光だと感じた。成田空港の機能強化と合わせて地域への恩恵は計り知れない」とあいさつ。平山町長も「圏央道は首都圏道路ネットワークの骨格となる重要な道路。トンネルの貫通は重要な一歩で、安全に配慮し一日も早い開通を願っている」と語った。
笹原事務所長は「非常に難度の高い工事で、施工者の綿密な施工計画立案と高い技術力、万全の管理体制により無事貫通を迎えることができた」と施工関係者をたたえた。岡統括部長は「計画から施工まで(発注者らと)一緒に取り組む体制を作ってもらったことが一番大きい。残る工事も気を引き締めて当たりたい」と述べた。
芝山トンネルは延長616メートル。土かぶりが3~10メートルで崩れやすい砂質の地山など難しい条件での掘削となった。有識者による技術検討会の助言を受け、長尺鋼管先受(AGF)工法や注入式脚部補強工などで地盤改良しながら掘削。改良剤も試験施工により特殊水ガラス系溶液型注入剤を選定するなど、特殊な技術的条件での施工となった。

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