前田建設ら３社は複数台の油圧ショベルを少人数で操縦できるようにする自律制御システムを開発し、同社ＩＣＩ総合センター（茨城県取手市）での実証実験により実用性を確かめた。ＢＩＭ／ＣＩＭの施工計画モデルに基づき具体的な作業計画モデルを自動生成。仮想空間と現実の掘削を連動させ、作業の計画から指示・管理、実行まで一元管理できるようにした。
「自動施工計画・管理システム」の実証実験は２０２３年１１月１４日から２４年３月２１日まで日立建機、イクシス（川崎市幸区、山崎文敬代表取締役共同最高経営責任者〈Ｃｏ－ＣＥＯ〉兼最高技術責任者〈ＣＴＯ〉、狩野高志代表取締役Ｃｏ－ＣＥＯ）と共同で実施した。新システムは特許を出願している。
ＢＩＭ／ＣＩＭから作業計画モデルを自動生成し、油圧ショベルに動作を指示。複数の３次元ＬｉＤＡＲ（ライダー）で計測した施工範囲の掘削状況や機体の状態など取得情報を自動施工管理システムに送信する。車載カメラや試験場の周囲に設置した複数のカメラの映像も携帯電話ネットワーク経由で送信し、遠隔で一元管理できる。少人数で複数台の油圧ショベルを操作できるようになり、生産性向上を期待できる。
前田建設では今後、油圧ショベル以外の建設機械へのシステム適用に加え、災害対応や放射性廃棄物の処理など作業員が行きにくい危険な現場への応用を視野に入れている。
