復興への元気の源に 氷見市とさいたま市大宮地区の「絆酒」お披露目、海中で熟成

地震を乗り越えた「氷見・大宮海中熟成復興絆酒」を披露する松原会長(左)ら=氷見市漁業文化交流センター

 氷見沖の海底に昨年12月に沈め3カ月間熟成させた富山県氷見市と、さいたま市大宮地区(旧大宮市)の酒のお披露目会が25日、氷見市漁業文化交流センターであった。能登半島地震を受け「氷見・大宮海中熟成復興絆酒」と銘打った酒は地震で1本も割れることがなかった。実行委メンバーら関係者は「氷見の復興の元気の源に」「復興のスタートの酒にしたい」と話した。

 氷見市と大宮地区は北陸新幹線開業を機に互いの商工関係者が交流している。氷見・大宮海中熟成絆酒実行委は昨年12月に氷見や大宮の地酒や焼酎、梅酒、ワイン合わせて632本を海底に沈めた。今回は海底15メートルに沈めた100本を今月11日に引き揚げ、復興へ向かう交流イベントとしてお披露目会を開くことにした。

 実行委の松原勝久会長が「氷見と大宮の絆の酒を広め、交流の足かがりにしてほしい」、林正之市長は「復興に向け氷見は元気ということを全国、世界へ絆酒で発信していきたい」とあいさつ。通常と海中熟成した酒を飲み比べた参加者は「角がとれてまろやかになった」と違いを味わっていた。大宮地区から2人が訪れ、大宮側の実行委事務局長の今井良治さんは「さいたま市内や県内には酒蔵がたくさんある。氷見や富山の復興に貢献し、長くつながりを持っていきたい」と話した。

 実行委は海底35メートルに沈めた残りの532本を11~12月に引き揚げ、新たな酒を沈める。

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