寛一郎 蝦夷地で異なる文化や風習に触れ、アイヌの精神や理念に共鳴する武家の若者に 「シサㇺ」公開決定

寛一郎主演の映画「シサㇺ」が、2024年秋に劇場公開されることが決まった。

「シサㇺ」は、アイヌと和人との歴史を描いた人間ドラマ。江戸時代前期、アイヌとの交易品を主な収入源としていた、北海道の南西部にある松前藩。松前藩藩士の息子である孝二郎(寛一郎)は兄の栄之助とともに、アイヌとの交易で得た品を他藩に売る仕事をしていた。ある夜、使用人の善助の不審な行動を見つけた栄之助は、善助に殺されてしまう。兄の敵討ちを誓った考二郎は、善助を追って蝦夷地へと向かう。

蝦夷(えぞ)地と呼ばれた現在の北海道を領有した松前藩が、アイヌとの交易をおこなっていた史実が基になっている。町全体がイオル(アイヌの伝統的生活空間)という考えのもと、アイヌと和人が共生してきた認識を持つ北海道白糠町で多くの場面が撮影され、セット建設から撮影まで町の全面支援・協力のもと製作されている。

主演は「菊とギロチン」「せかいのおきく」「首」などの寛一郎。蝦夷地に赴き、異なる文化や風習に触れることで、アイヌの持つ精神や理念に共鳴してゆく武家の若者を演じている。脚本を手掛けたのは、阿部寛主演「結婚できない男」や連続テレビ小説「梅ちゃん先生」などのドラマを手掛けてきた尾崎将也。本作では日本語とアイヌ語のセリフを混在させながら、現代社会における”不寛容”が暴力へとつながってゆくプロセスを描き出している。監督は「タイムスクープハンター」やアニメ化された小説「ブルバスター」など、多岐にわたる分野で活躍している中尾浩之が務めている。

寛一郎らのコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■主演:寛一郎
元々アイヌの歴史に興味があったので、オファーをいただけて嬉しかったです。
一月半ほど白糠町にお世話になりましたが、食べ物も気候も素晴らしく、町の皆さんにもたくさん協力をしていただいたことで映画が完成したと思っています。
僕は和人の役でしたが、役を通して、アイヌという文化をたくさん見れた気がします。
アイヌの文化にここまで着目して描いている作品は多くはないと思いますし、
時代劇でありエンタテインメント作品になっています。
多くの方に楽しんでいだだけければ幸いです。

■監督:中尾浩之
最初に本作のオファーを受け脚本を拝読した時、これは大変な仕事になるだろうと不安を覚えた記憶があります。
まずご挨拶をかねて白糠町に伺い、皆さんの思いや大自然に触れさせていただきました。たちまち私の心は奪われ、シラヌカの魅力にどんどん引き込まれていきました。硬くなっていた私の心にしなやかな風が吹き抜けたのです。その時の感覚を大切にしながら演出にのぞむことにしました。
目指したのはやわらかな風のような映画です。寛一郎さんはそのしなやかさを見事に表現してくれました。予想を遥かに超えたところへ映画を引きあげてくれました。類稀な才能に出会えたことに幸せを感じております。
ぜひ劇場に足を運んで身を委ねてください。心に風が吹き抜けますように。

■脚本:尾崎将也コメント
アイヌのことを何も知らないところからのスタートでしたが、「とにかく飛び込んでみよう」と思ったところから色々なことが動き初め、多くの方のご尽力があり、一本の映画ができました。思ったよりもずっと大変な作業でした。脚本を直した回数はこれまでの自分が経験した中で最多となりました。しかし関係者の中には僕よりも大変な思いをした人がいたことでしょう。感謝しかありません。

【作品情報】
シサㇺ
2024年秋 全国公開
©映画「シサム」製作委員会

© 合同会社シングルライン