【新NISA】月3万円は難しい…月5000円なら? 少額からの「積立投資」をシミュレーション

「投資・資産運用にまわす月額」平均8万8000円、最新の意識調査もチェック

国税庁が公表した「令和4年分 民間給与実態調査」によると、日本の2022年平均年収は458万円。平均年収は30年ほど大幅に上がっておらず、長らく400万円台のままとなっています。

家庭環境や理想のワークライフバランスとの兼ね合いにもなりますが、老後の資金づくりは早めに進めておきたいもの。

そんな需要も相まって、2024年1月からスタートした「新NISA」への注目度は高まりつつあります。

また、新NISAに関する意識調査のなかで「1ヶ月に投資・資産運用にまわす額」は平均8万8000円、中央値・最頻値がともに3万円であるとわかりました。

「3万円も積立に回せない!」という人にとって、たとえば月5000円などの少額でも差がでるのかは気になるところ。

今回は、意識調査結果を踏まえながら、積立投資で「月5000円」積み立てたときの期待できる結果を貯金した場合と比較しながらシミュレーションしてみました。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

【新NISA】老後資金に関する意識調査の結果をチェック!

キャリアや就職・転職に特化した匿名相談サービスを開発・運営する株式会社ライボの調査機関『Job総研』が「2024年 老後資金の意識調査」を実施。

社会人の男女を対象に、お金の使い道や価値観についての調査を実施しました。

調査概要は下記のとおりです。

  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:現在職を持つすべての社会人(20歳代~50歳代)
  • アンケート母数:男女合計600名(全国)
  • 実施日:2024年1月3日~1月9日
  • 調査会社:株式会社ライボ
  • リリース公開日:2024年1月29日

支持される投資・運用の種類「NISA系」が最多、最頻値は3万円

【老後資金】投資・資産運用経験者に聞いた、投資・資産運用の種類

現在、投資・資産運用をしていると回答した496人に運用の種類を聞いたところ「NISA・つみたてNISA」(65.1%)が最多という結果となりました。

次いで「株式」が35.7%、「投資信託」が33.1%と続きます。

また、同回答者に尋ねた「1ヶ月に投資・資産運用にまわす額」は平均8万8000円、中央値・最頻値がともに3万円となりました。

少子高齢化社会や物価高の影響などにより、働く現役世代は流動的な「年金受給額」を強く意識しているのだとか。そもそも年金を受給できない可能性まで考慮しているようです。

年金に頼りすぎない老後を想定した、将来志向の強い世代が増えていると考察できます。

今回は、若い世代からも支持される「新NISA」などを例に、少額での積立投資をシミュレーションしていきましょう。

新NISA「積立投資」、月5000円で期待できる効果は…?

たとえば、年収がなかなか増えず「とりあえず、月5000円」から積立投資を始めようとする場合、それでも効果は期待できるのか気になりますよね。

結論、少額投資も長く続ければ充分な効果を期待できる可能性が高まります。

今回は「月5000円」の積立投資を続けた場合の資産評価額の推移をシミュレーションしてみました。なお、運用利回りは年率3%を前提とします。

月5000円「積立投資」した場合の資産評価額推移

新NISAなどの「積立投資」、月5000円で結果はどうなる?

【経過年数:資産評価額(元本部分)】

  • 5年:32万円(30万円)
  • 10年:70万円(60万円)
  • 15年:113万円(90万円)
  • 20年:164万円(120万円)
  • 25年:223万円(150万円)
  • 30年:291万円(180万円)
  • 35年:371万円(210万円)
  • 40年:463万円(240万円)

※投資の運用利回りは年率3%で計算

月5000円の積立投資を20年間続ければ、164万円もの資産を築けます。また、40年間継続すれば、463万円もの資産を持つことが可能です。

いわば「貯金」と同義ともいえる元本部分は240万円。積立投資により、資産は約2倍にも増えていると計算できます。

少額の投資でも、十分な効果を得られることがわかるでしょう。

「老後資金」づくりの一手として新NISAもチェックして

少額投資に意味があるとわかっていても、少額から新NISAを始められるか疑問を持つ人もいるでしょう。

実はネット証券などで新NISAをスタートすれば、月100円から新NISAでの投資がおこなえます。そのため、高額な貯金がなくても新NISAで資産運用を始めることが可能です。

投資には払い込んだ額よりも減ってしまう「元本割れ」のリスクなどは伴いますが、「長期・分散・積立」の3つポイントを抑えれば、できる限りリスクを小さくできると言われています。

少額からでも、できるだけ早いうちから投資を始めていき、購入のタイミングを分散するように心がけるのがよいかもしれません。

参考資料

  • 国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
  • 楽天インサイト株式会社「資産運用に関する調査」(PRTIMES)
  • 金融庁「資産運用シミュレーション」
  • 金融庁「つみたてNISA早わかりガイドブック」

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