「子どもの声がなくなるのが さみしい」閉校する小学校“最後の1日”【なくなる学校の音】静岡・島田市

歯止めの利かない少子化の影響で静岡県内の学校が次々と閉校しています。約150年の歴史をもつ島田市の伊太小学校もその役目を終え、3月24日、閉校式典が行われました。閉校する学校の“最後の1日”です。

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静岡県の島田市立伊太小学校。JR東海道線・島田駅から車で10分ほど。街の中心部からそれほど離れていませんが、時代とともに児童の数は減り続け、約150年の歴史に幕を下ろします。

<伊太小学校 和田安史校長>
「大正から昭和の初期にかけては300人を超える児童が在籍していましたが、昭和57年(1982年)度以降、児童数の減少が進み、本年度(2023年度)は全校児童が49人となりました」

5年生から1年生は、春から島田第一小学校に通います。近隣の5校で統合します。

<伊太小学校6年 藤村漣さん>
「このような素敵な伊太小学校で学校生活を送れたことはとても幸せでした。きょうここで伊太小学校の歴史は幕を閉じますが、伊太地区がなくなるわけではありません」

「伊太小学校の校旗を返納します」

最後の卒業生となった6年生の代表が校旗を返納し、150年近く続いた小学校が閉校しました。

<小5で転校した高校生>
「涙腺がヤバい」
<友人>
「涙腺崩壊中」「すごい伊太小楽しかったなって」

伊太小学校で歌う最後の校歌です。

【校歌1番】
「あけさわやかに雲晴れて 日かげ明るき伊太の里 歴史は遠し堅成の 剛健の意志ここに立つ 伊太のはらから三百の 理想は高し八倉山」

【校歌2番】
「天神原に草もえて 土の香しるき伊太の里 一望はるか大川の 自学のえいちここに立つ 伊太のはらから三百の 理想は遠し大井川」

「卒校証書」が全児童に授与されました。

<伊太小学校5年生 男子児童>
「新しい学校でも伊太小の思い出を忘れません」
「新しい学校に行っても頑張ります」

<昭和34年度(1959年度)卒業生 高森孝子さん(76)>
「なんとも言えなくさみしいです。やっぱり子どもたちの声。これからこの声が聞こえなくなると思うと、やっぱりさみしいですね」

<伊太小を卒業した父親(娘は5年生)>
「この学校がなくなってしまうのは、地域の人にとっても本当につらいことだと思うが、統合したことが子どもたちにとってプラスになってくれるよう、みんなで支えていけたら」

【校歌3番】
「牧のが原に日は落ちて 夕映え赤き伊太の里 平和の鐘のあけくれに けんこうのふうここに立つ 伊太のはらから三百の 望む東海の空広し」

歯止めの利かない少子化の影響で、静岡県内では公立小学校8校が2024年3月で閉校します。島田市では伊太小学校を始め、伊久美小、相賀小、神座小の4校が閉校。

静岡市では、清沢小、水見色小、中藁科小学校小布杉分校が閉校し、西伊豆町の田子小学校もその役目を終えました。

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