「推薦する権限あった」 献上モモ詐欺、福島地裁・被告人質問

 宮内庁関係者を名乗り、皇室への献上名目で福島市や茨城県の農家からモモなどの農産物をだまし取ったなどとして、詐欺や偽造有印公文書行使などの罪に問われた東京都練馬区、農業園芸コンサルタントの男(75)の第3回公判は25日、福島地裁(三浦隆昭裁判長)で開かれた。被告人質問で加藤被告は、検察側が「保有していない」と指摘する皇室への献上権限について「自分には献上品を推薦する権限があった」と述べた。

 男は、約5年前に開かれた皇室行事の場で「宮内庁関係者から献上品を推薦するよう頼まれた」と説明。農家に示した宮内庁名義の献上依頼書は、宮内庁関係者から過去に使用した依頼書の原本をもらい「日付や納品目などを修正して作成した」と主張した。

 農家から受け取ったモモやシイタケ、トマトは「宮内庁に郵送で送り、残りは成分や品質を分析した。余って食べられるモモは(自分で)食べた」と述べた。

 次回は4月22日午後1時半から証人尋問を行う予定。

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