福島県、CO2削減目標達成 21年度、基準の13年度比18.4%減

 県は25日、2021年度の本県の温室効果ガス実排出量が二酸化炭素換算で推計1390万6000トンだったと明らかにした。基準とする13年度から18.4%減少し、目標の15%減を達成した一方、新型コロナウイルス感染拡大で大幅に減少した20年度からは3.8%増えた。県庁で開いた県カーボンニュートラル推進本部会議で、実績を報告した。

 実排出量は、総排出量(1543万3000トン)から森林などの吸収量(152万7000トン)を除いた値。17年度以降は減少を続けていたが、コロナ禍で落ち込んだ経済活動が回復した影響が表れた。全国は20年度比2.0%増だった。

 主要部門別では、製造業などの「産業部門」と小売、サービス業などの「民生業務部門」で排出量が増えた一方、「運輸部門」は3.4%減少した。ハイブリッド車の普及などでガソリンの使用が減ったとみられる。

 一般家庭が該当する「民生家庭部門」は20年度比3.0%増。1世帯当たりの排出量は3.63トンで、コロナ禍前の18年度と比べても0.05トンの微増だった。テレワークなどの普及で自宅で過ごす人が増えたことも影響した可能性がある。

 県は50年度までの温室効果ガス排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)実現に向け、30年度は13年度比で50%減、40年度は75%減とする目標を掲げている。

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