【佐伯】佐伯市を中心とした有志でつくる「まつり佐伯」(谷川憲一実行委員長)が、能登半島地震で被災した石川県輪島市で炊き出し支援に取り組んだ。すしや刺し身などの生ものは提供できなかったが、ボランティアのメンバーが心を込めて作った佐伯自慢の味は被災者や地域の人たちから喜ばれた。
趣旨に賛同した15人が参加。佐伯市からの本隊は18日昼前、市消防本部前での出発式に臨んだ後、すしトレーラー「すし寅(とら)」、トラック、ワゴン車に分乗して陸路で石川へ。翌19日朝に輪島市の輪島マリンタウンに到着した。
現地では石川県内で支援活動中で、佐伯を舞台にした映画「釣りバカ日誌19」に出演するなど佐伯と縁のある俳優常盤貴子さんらが合流。メンバーと一緒にブリの照り焼き丼、海賊みそ汁、地獄蒸し方式で作ったぶりシューマイ、ちまきなどを振る舞った。
テントが飛ばされるような強風が吹き始めたため、予定よりも早めに撤収。米など余った食材は現地で支援活動中の立命館アジア太平洋大(別府市)の学生らに託したという。
車中泊の強行軍で休む間もなく取り組んだ。リーダーを務めた防災士の西山隆さん(74)=佐伯市鶴岡町=は「味はもちろん、すし寅、地獄蒸しなど“見せる炊き出し”で楽しんでもらえたと思う。輪島の人たちが笑顔になってくれて本当に良かった」と話した。