壱岐市長選・立候補予定者討論会 人口減対策など政策訴え議論を交わす

壱岐市長選立候補予定者の討論会に臨んだ(左から)出口氏、坂本氏、森氏、篠原氏=同市芦辺町、壱岐島開発総合センター

 任期満了に伴う壱岐市長選(4月7日告示、同14日投開票)の立候補予定者4人による「活性壱岐!討論会」(同実行委主催)が25日、同市内であり、人口減少などの課題解決に向け、それぞれの政策や信条を主張し、議論を交わした。
 同市長選を巡っては4期目の白川博一市長(73)が不出馬を表明。16年ぶりに市政トップが交代する。討論会は抽選で▽元市職員、篠原一生氏(46)▽元市議、森俊介氏(39)▽元衆院議員秘書、坂本和久氏(59)▽元市職員、出口威智郎氏(48)-の順に政策を語った。
 篠原氏は、市東京事務所長時代に得た民間企業との人脈を生かすとアピール。農漁業を核に観光や商工業と連携させて「稼げる島」となるための経済活性化策を説明した。教育分野では独自の奨学金制度を創設し、健康分野も推進すると訴えた。
 森氏は、現市政が抱える最大の問題を「ビジョンがないことだ」と指摘し、自らは「壱岐を政治で有名にする」と主張した。広報紙やユーチューブなどによる発信で「見える化」を図りつつ、行政の「仕事力」を高め、市民の暮らしを向上させるとした。
 坂本氏は、自主財源の確保を重視。環境負荷が少ない「生分解性プラスチック」などの原料となる雑穀ソルガムを耕作放棄地で栽培して雇用や税収を増やすほか、韓国発祥のトレッキング「オルレ」を導入し、観光客を呼び込むアイデアを語った。
 出口氏は、生活環境の充実に注力。「島の子どもは宝」と強調し、給食費や保育料を無償化する子育て支援策を打ち出した。漁業復興のため藻場再生に取り組むほか、閉所した市福岡事務所を復活させ、壱岐の魅力を国内外にPRする考えも示した。
 このほか、実行委に提示された農業やインフラ整備、防災策などのテーマに沿って意見を述べ、相互に質問をぶつけた。
 前回2020年は新型コロナウイルス禍のため“無観客”で開催。今回は市民約150人が来場し耳を傾けた。

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