アプリ「おむすび。」と地域通貨「ゆでぴ」運用開始 子育て支援や共助サービス、決済も 長崎・大村市

地域通貨「ゆでぴ」の画面とアプリ「おむすび。」のホーム画面

 長崎県大村市独自のポータルアプリ「おむすび。」と地域通貨「ゆでぴ」の運用が25日、始まった。スマートフォンでアプリを取得すると子育て支援や地域共助のサービス、キャッシュレス決済を利用できる。市は「市民がもっと気軽につながり、地域経済が循環する」ことを目指すとしている。
 「おむすび。」は市に関する情報を受け取れるアプリ。健診予約などができる子育て支援機能や、困り事がある市民と人助けしたい市民をマッチングする地域助け合い機能を使える。今後、公共交通での決済や防災、教育に関する機能などにも幅を広げる方針。
 利用にはマイナンバーカードと暗証番号を使った登録が必要になる。市は「個別・最適な情報を提供するため」としている。
 「ゆでぴ」はスマートフォンで使える電子マネー。市内加盟店でキャッシュレス決済ができるほか、ボランティア参加時などにポイントがもらえる。25日までに約200店舗から加盟が申し込まれている。
 市は2024年度末までに「おむすび。」の4万ダウンロードと、「ゆでぴ」の加盟店800カ所を目標に掲げる。登録者に抽選で「ゆでぴ」ポイントを付与するなどのキャンペーンを展開するほか、登録支援のブースを市役所に設置。市内の経済団体と連携を深めるなどして利用を促したい考えだ。

記者会見でアプリの運用開始を明らかにする園田市長=大村市幸町、市コミュニティセンター

 園田裕史市長が同日、市内で会見した。アプリをリリースした背景にある市の課題として、子育て支援に関する個別最適な情報提供や地域コミュニティーの希薄化を指摘。「全国的にも先進的な取り組みになる。県内で唯一人口が増加し続けているからこそ、アプリを一緒に育てていってほしい」と呼びかけた。
 アプリは「App Store」「Google Play」からダウンロードできる。

© 株式会社長崎新聞社