TikTokダンスのバズらせ屋「ローカルカンピオーネ」の楽曲「Bright」が流行

TikTokでダンス・インフルエンサーとして活躍している2人組チーム・ ローカルカンピオーネ(Local Campione)。

彼らのオリジナルソング「Bright」が、Billboard JAPANの「TikTok Weekly Top20」で2週連続チャート入りを果たしている。

日本一のバズらせ屋」というTikTokアカウントでの謳い文句さながら、ショート動画プラットフォームに旋風を巻き起こしているようだ。

ダンス発バイラルヒットの仕掛け人「ローカルカンピオーネ」

ローカルカンピオーネは、YUKIさん、RYOMAさんからなる2人組ダンスボーカルユニット。

過去の名曲や未発掘の楽曲に、ダンスをつけた動画をTikTokへ投稿。

それが「ダンスチャレンジ」や「踊ってみた」として他の人気TikTokerやユーザーに真似されることで広まり、いわばダンスチャレンジ/踊ってみた発のバイラルヒットを生み出してきた。

動画に使用されている楽曲はいつの作品であるかはあまり関係がなく、キャッチーな言葉やみんなが楽しく踊れそうなところを選び、真似しやすい振り付けや多少難しくても覚えて踊りたくなくなるものを思考しているという。
今後も過去の名曲や未だ発掘されていない楽曲が、彼らの投稿によって世間に注目を集めるだろう。過去の名曲もバズらせる話題のローカルカンピオーネとは!?/所属事務所・スターミュージック・エンタテインメントの公式サイトより

「Bright」は、そんな彼らが2月28日(水)にデジタルリリースした、ミディアムテンポのイージーリスニングなR&Bソング。

「TikTok Weekly Top20」では、3月13日付で17位に、3月20日付で20位にランクインしている。

キャッチーな言葉選びと真似しやすい振り付け

ローファイなトラップ風にアレンジされた「Bright」。温かみのあるシンセベースとトイピアノが、チルな雰囲気をつくり出す。

オートチューンが薄くかかった甘いメロディは、キャッチーなライム(韻)とともにリフレインされる。

ローカルカンピオーネのTikTokには、「Bright」の振り付け動画も投稿されている。

サビに入る直前、ビルドアップするキックの音に合わせてハートを三拍子でズームインさせ、続けてライト→キミ(指差し)→蝋燭→ケーキと、スムーズに手振りが変わっていくのが面白い。

所属事務所のスターミュージック・エンタテイメントの紹介にあるとおり、オリジナル楽曲でも「キャッチーな言葉」が意識されており、「真似しやすい振り付け」が当てられているようだ。

よくある表現「毎日がbirthday」をよりドラマチックに

ヒップホップ・アーティストのVILLSHANAさんが作詞した歌詞にも注目したい。“眩しいライトはキミのせい”から続く4小節は、ずいぶん破壊力がある。

眩しいライトはキミのせい
フーッして消したケーキの上
まるで毎日がbirthday
ふたり心地いいR&B

なぜ、この歌の主人公は、“フーッして消したケーキの上”=蝋燭の火を消した(というより、消してもいいと考えた)のだろうか? それは“眩しいライトはキミのせい”──つまり“キミ”の存在が、歌の主人公にとって世界の何よりも眩しいからである。

“キミ”がいれば、他の光はいらない。そんな因果関係があるからこそ、続く“毎日がbirthday”というよくある表現へ、より自然に、よりロマンチックに繋がる。

本家本元がスピードアップver.を推す

なお、ローカルカンピオーネがTikTokで公開した振り付け動画に使用されている音源と、実際にリリースされている音源は、BPMが異なる。

動画の尺に合わせて音源をスピードアップさせる工夫はめずらしいことでもなく、公式音源としてスピードアップver.を出すケースも少なくはない。

しかし今回、ローカルカンピオーネが、自らスピードアップver.にフィーチャーし、振り付け動画を発信したことは、興味深い。

ショート動画シーンの文化・慣習を最優先したプロモーションは、他のTikTokでのバイラルヒットを意図した楽曲にも活かせる手法だろう。

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