ドジャース・大谷が声明発表 水原氏の賭博は「全く知らなかった」

日本時間3月26日、大谷翔平(ドジャース)は本拠地ドジャー・スタジアムの記者会見場で元通訳の水原一平氏をめぐる賭博疑惑について声明を発表した。質疑応答はなく、70人を超える報道陣に対して大谷が一方的に約12分間の声明を発表する形式。長年のパートナーであった水原氏に関する問題について語るなかで、大谷は野球に限らず、いかなるスポーツにおいても自分自身が賭けをしたことがないこと、そして違法なブックメーカーに対して支払いをしたことがないことを明言した。

大谷は「まずはじめに、僕自身は何かに賭けたりとか、誰かに代わってスポーツイベントに賭けたりとか、それをまた頼んだりということはないですし、僕の口座からブックメーカーに対して誰かに送金を依頼したことも、もちろん全くありません」とコメント。「本当に数日前まで、彼がそういうことをしていたというのも全く知りませんでした。結論から言うと、彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつ、僕の周りに、みんなに嘘をついていたということになります」と語った。

大谷と水原氏に関する賭博疑惑は、韓国・ソウルで行われた開幕シリーズ2連戦の最中に浮上。当初、水原氏は米スポーツ専門チャンネル「ESPN」の取材に対し、「大谷に借金を肩代わりしてもらった」と説明していたが、のちに「大谷は一切関与していない」と自らの発言を撤回し、大谷の弁護士も「大谷は大規模な窃盗の被害者となった」と主張した。

大谷は「僕がこのギャンブルに関しての問題を初めて知ったのは、韓国の第1戦が終わったあとに行われたチーム・ミーティングのときです」とコメント。「そのミーティングで彼は全部英語で話していたので、僕に通訳もついていなくて、すべて英語で話していたので、完全には理解できていなくて、何となくこういう内容であるとはおそらくは理解できていましたけど、何となく違和感はそのときは感じていました」とした。

そして「そのとき彼は僕に対して、ホテルに帰ったあとで、2人でより詳しいことを話したい、今は待ってくれというふうに言っていたので、僕はまずそのときはホテルまで待つことにしました」と続け、「僕は一平さんがそのときに、ミーティングのときにギャンブル依存症だということを僕はもちろん知らなかったですし、彼が借金をしていることも知りませんでした。僕は彼の借金返済に同意していませんし、ブックメーカーに対して彼に送金してくれと頼んだことも許可したことも、もちろんないです」と水原氏の借金の肩代わりをしたことを否定した。

「試合後ホテルに戻って、一平さんと初めて話をして彼に巨額の借金があることをそのとき知りました。彼はそのとき、僕の口座に勝手にアクセスしてブックメーカーに送金していたということを僕に伝えました」と大谷。ただし、水原氏がどのようにして大谷の口座にアクセスしたのか、大谷が普段から水原氏にそうした権限を与えていたのかといった点については明かされなかった。

水原氏と話をしたあと、代理人を呼んで話し合い、球団と弁護士に連絡したという大谷。「弁護士の人たちがこれは窃盗と詐欺のことなので、これを警察の当局に引き渡すという報告をそのときにしました。これがそこまでの流れなので、僕はもちろんスポーツ賭博に関与していないですし、ブックメーカーに送金していたという事実は全くありません」と自身の関与を改めて否定した。

「正直、ショックという言葉がまあ、正しいとは思わないですし、それ以上の言葉では表せないような感覚で、この1週間くらいはずっと過ごしてきたので、今はそれを言葉にするのは難しいなと思っています。ただ、今シーズンも本格的にスタートするので、ここからは弁護士の方々にもお任せしますし、僕自身も警察当局に全面的に協力したいと思っています」と語った大谷は「これが今お話しできるすべてなので、質疑応答はしませんが、これから(捜査は)さらに進んでいくと思います。以上です。ありがとうございました」と会見を締めくくった。なお、MLB機構は日本時間3月23日の時点で、正式な調査プロセスを開始したことを発表している。

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