小林製薬の「紅こうじ」 群馬県内でも続々撤去 「早く原因を」不安、憤りの声 

 腎疾患などの健康被害の恐れがあるとして、小林製薬が「紅こうじ」のサプリメントの自主回収を呼びかけている問題で、群馬県内では25日までに、ドラッグストアやスーパーから関連商品が撤去された。店舗関係者からは健康被害拡大の懸念や原因究明を求める声が上がった一方、サプリや同種商品の愛用者からはずさんな対応に憤りや不安の声が相次いだ。

 クスリのマルエ(前橋市)の各店では、紅こうじ成分を配合した機能性表示食品のサプリ「紅麹コレステヘルプ」を取り扱っていた。小林製薬から連絡を受け、25日までに店頭から商品を撤去した。担当者は「現在把握している範囲では販売分による健康被害の報告はないが、何よりそれが心配」と不安がった。

 県内などにスーパーを展開する小売業者は、小林製薬製の紅こうじを使った紀文食品の「国産いか使用いか塩辛」「いか塩辛3P」の販売を全店舗で中止した。担当者は同種製品の買い控えや風評被害の影響が心配だとし「スーパーは安心して買い物ができるのが大前提。早く原因を明らかにしてほしい」と要望した。

 昨秋、大学時代の友人から評判を聞いて小林製薬のサプリを飲んでいたという高崎市の男性会社員(59)は「ニュースを聞いてびっくりした」と驚いた様子。「想定とは異なる成分が含まれていた恐れがある」とした同社の説明に「(自分は)2カ月でやめたが、家族は最近まで飲んでいた。大手なのにずさんだ」と怒りをにじませた。別会社の美容系サプリを愛用しているという太田市の女性会社員(44)は「有名な企業でもこんなことがあるのか。事前に調べようがないので怖い」と不安そうだった。

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