江戸期の日用食器「くらわんか」展示 企画展は12年ぶり 5月27日まで 波佐見ミュージアム

江戸期の日用食器が並ぶ「くらわんか 藤田コレクション展Ⅱ」=波佐見ミュージアム

 江戸時代、庶民の食卓を彩った日用食器「くらわんか」に焦点を当てた「藤田コレクション展Ⅱ」が長崎県東彼波佐見町湯無田郷の町歴史文化交流館「波佐見ミュージアム」で開かれている。企画展は12年ぶり。
 「くらわんか」は、食事や酒を売る大阪商人のかけ声に由来する。同コレクションは大阪府の収集家、故・藤田雅敏氏が2011年以降、町に寄贈した約1200点。
 会場には波佐見や肥前、愛媛県の砥部など約90点が並ぶ。呉須(藍色の顔料)を使い、手書きや印判で簡素な模様が絵付けされた日用食器をはじめ、波佐見焼初期の1630年代の青磁や、西彼長与町の長与焼といった貴重な器もある。
 波佐見町教委の中野雄二学芸員は「くらわんかは時代に沿って、変化を遂げた日用食器『波佐見焼』の原点。現代のファンにも、当時のデザインに触れてほしい」と話した。最新の技術で「くらわんか」を再現した記念の器も販売している。5月27日まで。無料。火曜休館。

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