ダンサー? ボディビルダー? 生き物みたいなニンジン、「何に見えるか」大論争

今にも踊り出しそうなニンジンを持つ山本士郎さんとひ孫の悠透ちゃん=福崎町福崎新

 筋骨隆々のボディビルダーのようでもあるし、軽快なステップを踏むダンサーにようにも見える。福崎町福崎新の山本士郎さん(79)宅の家庭菜園で、変わった形のニンジンが採れた。その姿はまるで手足の生えた生き物のよう。山本家では何に見えるかで大論争が巻き起こっている。

 今にも動き出しそうなニンジンを見つけたのは山本さんの妻の久恵さん(79)。3月上旬、家庭菜園に植わっていた最後の1本を引き抜いた時、目を疑った。

 葉の近くに角や頭のように見える部分があり、両脇にいくつものくびれがある「腕」が2本生える。根元は二股に分かれていて、片方は足を前に蹴り出すように反り上がっている。

 「キン肉マンみたい」「ボールを蹴ってるんじゃない?」「いや踊ってるでしょ」。山本さんのひ孫の悠透ちゃん(2)は「鬼さん」と言って笑う。

 姫路農業改良普及センターによると、ニンジンやダイコンは下に真っすぐ伸びるように生える。ただ土の中に大きな石や肥料の塊、水分の多い所があると、それを避けるため二股に分かれる場合があるという。

 インターネット上では、各地で見つかった、手足が生えたようなユニークな形の野菜をまとめて紹介するページもある。

 山本さん宅で採れたニンジンは親戚宅にも「出張」するなど、一族の話題の中心に。現在、愛着の沸いてきたこのニンジンを食べるかどうかで家族会議が続いているのだとか。(喜田美咲)

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