歌手/アニソンシンガー・亜咲花×振付師・槙田紗子[インタビュー]「わやわやわー!」の振り付けに込められた想いを明かす「お客さんも一緒に歌って踊れるような空間を作っていけたら」

歌手/アニソンシンガー・亜咲花×振付師・槙田紗子[インタビュー]「わやわやわー!」の振り付けに込められた想いを明かす「お客さんも一緒に歌って踊れるような空間を作っていけたら」

歌手/アニソンシンガーの亜咲花が、2月7日(水)に「わやわやわー!」をリリース。表題曲の振り付けを槙田紗子が担当した。

槙田紗子は、TikTokで世界で20億回再生された超ときめき♡宣伝部の「すきっ!」や、9億回再生された日本レコード大賞最優秀新人賞のFRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」、鈴木愛理主演ドラマの主題歌「最強の推し!」などの振り付けを担当した、次々とヒットを生み出す振付師。

「わやわやわー!」は、素直になりきれない、甘酸っぱい恋心を亜咲花の明るくポジティブな歌声で爽やかに伝える楽曲。

槙田による明るく元気な振り付けが加わり、みんなで一緒に“わやわやわー!”と踊れる「#彼ピッピダンス」としてTiktokなどのSNSで拡散中だ。

本記事では、亜咲花と槙田紗子が「わやわやわー!」の振り付けに込められたや想いや「#彼ピッピダンス」の反響、今後2人でやってみたいことなどについて語ったインタビューをお届けする。

ーーまず、新曲「わやわやわー」の振り付けについて、どのようなコンセプトやイメージで作られたのか、ポイントについて教えていただけますか?

槙田:

「わやわやわー」は、どちらかというとライブの振り付けというより、MVの振り付けっていう感じです。サビは歩きながら撮るとかカメラワークが先に決まっていて、そこに合わせて振り付けを作ったので、サビだったらずっと歩きながら撮れる振り付けとか、あとはもうMVのシーンに合わせてちょっとここはこういう風な動きでやってみようとか、けっこうその場でも作りました。亜咲花さんとお話しながら作ったりしましたね。基本的に学校コンセプトだったので、みんな踊れるぐらいの簡単なダンスで、すごい弾ける元気な青春感みたいなのが出るような振り付けを意識しました。

ーー「#彼ピッピダンス」ともいわれていますが、反響がありましたか?

亜咲花:

MVで歌って踊るっていうのが今まであまりなかったので、亜咲花って踊りもできるんだ!っていう新しい一面をお届けできたっていうのがすごく嬉しいです。やっぱりライブだと今までだったら普通にペンライト降るなりジャンプしたりっていうのが楽しみ方の定番だったんですけど、「わやわやわー」を歌うたびにお客さんが一緒に歌って踊ってっていう新しい楽しみ方ができました。MVでは、私も制服着てるし、後ろのバックダンサーの子たちも隅から隅までコスプレしてるので、みんなで1つの作品を作っていくっていう意識が今回強くて、みんなで一緒になって歌って踊れるっていうのはすごく嬉しかったです。

ーー槙田さんは「すきっ!」や「わたしの一番かわいいところ」の振り付けも担当されていますが、バズる振付のコツやトレンドってあったりしますか?

槙田:

振り付けのトレンドでいうと、TikTokで発信するものは割と上半身で踊れるものが多いです。「わやわやわー」も全身動いてはいるんですけど、手を使ってない部分がまったくなくて、サビはもうずっと手振りがついてます。そういった座った状態でも踊れるっていう振り付けが1つポイントなのかなとは思います。

ーーK-POPなどのアーティストと比べてみて、日本と海外のアーティストの違いみたいなところってありますか?

槙田:

難しいなー。それこそ亜咲花さんは海外でもライブやられてるから、ファンの方の違いとか、身を持って体感してそうですね。

亜咲花:

ライブの楽しみ方っていうところだと、日本の人は割とシャイな方が多くて、特にアニソンのライブはMCの距離が近い印象。“お水おいしい”とか“次の曲で最後です”みたいな定番のコール&レスポンスみたいなものがあるんですよ。でも海外だと一緒に全部歌っちゃうんですよ。だから海外のアーティストはサビをみんなにマイク向けちゃってサビを一切歌わない。だけど、日本の人は“いやいや俺たちはサビを聴きに来たのに、お客さんの歌を聴きに来たわけじゃないんだ”っていう意見が圧倒的に多いです。海外はみんなで楽しむっていう意識が強いから、もうお客さん優先。みんなの最高の空間を作るっていうのがあなたの仕事だよっていう感じで、立場が若干違ったりもしてますね。

ーー亜咲花さんも槙田さんも、海外のアーティストとのそういった文化の違いからインスピレーションを受けたりしますか?

亜咲花:

日本だと例えばライブのイントロとかは、やっぱり音楽だけになっちゃうので、ちょっとした“みんな一緒に歌いましょう!”とか“オイオイ”とか、そういう掛け声系を煽ることが多いんですけど、海外はやっぱり一緒にライブっていう意識が強いから“Together!”とか“Come on!”みたいなそういう合いの手で盛り上げてる文化なんで、そういったところからインスピレーションを受けてますね。

槙田:

私はいろんな国のダンス動画を観たりするんですけど、フォーメーションをけっこう取り入れることが多いですね。日本のグループアイドルだとライブを目的にして振りをつけてるので、横2列前後交代みたいな、割とシンプルなフォーメーションが多かったりするんですけど、KPOPとかだと例えば7人組だったら、7人で1つというか、もはや組体操みたいな構成だったり、7人で花をイメージしてますみたいなちょっと雑技団的なフォーメーションの作り方があったりとかするんです。私は割とそれを日本のアイドルにやってもらっている振付師かなとは思いますね。

ーー亜咲花さんはアニソンシンガーで、槙田さんは元アイドルですが、アイドルとアーティストの違いみたいなところはありますか?

亜咲花:

私はやっぱりシンガーが基本で踊らない前提なので、自分のパフォーマンスによって歌のクオリティも変わってくると思っていて、次は音外しちゃダメだなとか苦手なとことろが自分でも分かるので、ここはあえてちょっとファルセットにするとかして、段階作っていこうとか考えながらライブをやってます。あとは、やっぱりお客さんの温度感を読み取ってMCの内容変えたりもしますよ。ここはもうすごい飛んでくるから、ちょっともうお客さんいじっちゃおうかなとか、本当にその日の空気を読み取るまでMCは一切考えてないです。アイドルユニットだと役割があると思うんですけど、この人はボケ、ツッコミ、進行役。私はそれを全部やらなきゃいけないのでそういう自分の好きなようにできるので楽しいです。グループがいい、1人がいいとかは性格によるとは思うんですけど、逆にみんなでやる大変さとか逆にみんなでやってるからいいよっていう部分は槙田先生が1番知ってると思います。

槙田:

そうですね、アイドルとアーティストの違いってなるとどこに視点を当てるかによって変わると思うんですけど、私は亜咲花さんとご一緒して思ったのは、やっぱりソロでやってる方のたくましさっていうのをめちゃめちゃ感じたんです。もう全部が自分1人の評価に繋がるし、名前と顔を出してアーティストとして活動しているっていう責任感だったり、やっぱり抱えてるものが違う。そこがグループアイドルだと、いろんな人が考えてくれたコンセプトがあって、曲の方向性があって、そこにある程度寄せなきゃいけない部分もけっこうあって、ある意味不自由さももちろんありますけど、ある意味では人を頼る部分というか、自分1人で全部やらなくても、メンバーの力との掛け合わせで一緒に作っていくっていう感じで、抱えてるものの種類が違うってめっちゃ思いましたね。

亜咲花:

私は自分の人生を自分で決めたいという想いから芸名ではなく本名で活動しているので、芸能人として今しゃべってるというより、亜咲花という1人の人間でもあり、1人のアーティストとしてもあるんです。その辺のギャップがないっていうのが大きいです私はもう自分がダメだったら自分に責任があるので、そういう意味では必然的に強くなっていかざるを得ない。例えば、ライブって生ものなので、だから、本当はアンコールとかも決めたくないんですよ、 それはアンコールじゃないじゃん。アンコールってお客さんも私ももう1曲やろう、帰りたくないよっていう気持ちから生まれるものだと思うので、場の空気で最後に急遽追加で同じ曲を歌うっていうのも過去には何回かあります。時と場によるって言われるとは思うんですけど、アンコールなくてもライブ楽しいよっていうのをちょっと言っていきたいです。

ーー亜咲花さんはずっと1人で活動していた中で、今まで1番大変だったこと、逆に槙田さんはグループで活動していた中で、1番大変だったことはありますか?

亜咲花:

新年早々にインフルエンザに感染しちゃって、咳がどうしても残ってしまう。 だからそこでツアーとかあるってなった時に、MCも全部自分でやらなきゃいけないし、歌も1人しか歌わないのでそこがつらかったかな。ライブ中の2時間、1時間半ちょっと、メンタル的にも誰にも頼れないから、そこがやっぱり心寂しい。自分が本調子じゃない時、フルのパフォーマンスができないっていう、その悩まなきゃいけない要素が増えてしまうっていうのがちょっと大変だなと思います。これがユニットとかなら、ちょっとMC任せたりとか、歌割変えたりとかできるのが羨ましい。

槙田:

私も集団苦手なタイプなんですよ。なので、足並み揃えるとか、常にメンバーのことを気にするとかが、大変だったかなと思います。そういうやり方より、自分のやりたいことだけやりたいみたいなタイプなので、振付師になったっていうのはそこかなって思います。

亜咲花:

グループだとメンバーは仕事仲間でもあるし友達でもある絶妙な感じだと思うんですけど、ソロのアーティストだと言っちゃあれですけど、他人感が強いです。私もフェスとかになるとコラボもするし一緒に歌いますよって感じだけど、ここがやっぱり自分だけではなく他の人と波長とか、いろいろ合わせなきゃいけないのが大変だって思います。それが初めは譲れるかもしれないけど、やっぱどうしても人間には譲れない部分があると思うので、そこがぶつかった時大変だなって。

ーー今回「わやわやわー」を一緒に作られて、今後おふたりとしてやってみたいことがあればお伺いしたいです。

亜咲花:

さっきもお話ししたんですけど、やっぱり歌って踊るっていうのが、本当に少なくて、ピュアで青春感あって、みんなも踊れてキャッチ―って曲が、ほぼ初めてだったんです。けっこうファンの方に割とびっくりされるぐらい、槙田先生さんがいろんな引き出しを持ってきてくれたので、これを機に亜咲花は歌って踊れるんだよっていうのをアピールしていって、お客さんも一緒に歌って踊れるような空間を作っていけたらなと思うので、ぜひまた先生と一緒に作っていけたらなと思ってます。

槙田:

この楽曲のダンスとかに関しては、どの世代でも踊れるような振付っていうのをすごい意識したので、子どもからもうおじいちゃん、おばあちゃんまで踊ってくれたら嬉しいなってすごい思ってます。今回、亜咲花さんの振り付けを担当させていただいて 今までダンスあんまりしてなかったっていうのがびっくりするぐらい踊れるし、しかもMV撮影とかでの即興の動きがもうめっちゃすごいんですよ! なんか、振付師みたいに! 多分パッションがすごい、その場その場の熱量がすごい方なので、そういうのなんか私もすごい勉強になったなって思ってて、亜咲花さんの場合は一緒にその場で振付けを作りたいなっていう方です。今後もそんな機会があればぜひよろしくお願いします。

亜咲花:

それこそ今、槙田先生が、老若男女いろんな方にっていうので思い出したのが、時間的に実現できなかったんですけど、私このMVの案を出す時に、もちろん学校っていう設定もありながらも、例えば、コックさんが踊ってるとか、運転手さんが戻ってるとか、おじいちゃんおばあちゃんが踊るとか、うちのお母さん登場させるとか、職業や年齢関係なく誰もが踊って歌ってっていう映像にしたかったんです。

槙田:

めっちゃ面白いですねそれ! ぜひ次はそれやりましょう。

▲亜咲花「わやわやわー!」Music Video Full ver.(TVアニメ『道産子ギャルはなまらめんこい』エンディングテーマ)

亜咲花「わやわやわー!」

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