米ボーイング、次期CEOは外部人材起用か 安全性の信頼回復へ

Allison Lampert Tim Hepher

[26日 ロイター] - 航空機大手の米ボーイングの取締役会は、デビッド・カルフーン最高経営責任者(CEO)の後任探しに着手した。業界関係者やアナリストからは、同社が外部人材を起用するとの見方が出ている。

ボーイングは25日、カルフーンCEOが2024年末に退任すると発表した。今年1月に米アラスカ航空が運航するボーイング製737MAX9の一部側壁が飛行中に吹き飛ぶ事故が起き、安全性への信頼が揺らいでいた。

後任CEOは、安全性や品質管理の問題、規制当局や顧客の信頼回復といった多くの課題に直面する。

規制当局や議会の批判が高まる中、外部人材が起用されるとの指摘があり、RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ケン・ハーバート氏は「最近の問題を受けて(ボーイングの)品質と製造に関する企業文化が疑問視されている。新たな外部の視点は投資家に歓迎されるかもしれない」と述べた。

多くの投資家は後任候補として挙げるのはゼネラル・エレクトリック(GE)のラリー・カルプCEO。中核3事業の分社化を進めた点を評価し、ボーイングが信頼を回復するために必要な資質を備えていると指摘する。

ただ、カルプ氏は最近記者団に、GEの航空部門を率いることに注力していると話し、重要なサプライヤーとしてボーイングに今後も貢献することを期待していると述べた。

航空機向け製品を手がけるスピリット・エアロシステムズを率いるパトリック・シャナハン氏も候補に挙げられている。同氏は元ボーイング幹部で、トランプ政権下で国防長官代行を務めた。

航空業界専門家のアダム・ピラルスキー氏は、シャナハン氏がボーイングを知り尽くしていることなどを挙げ、外部の最適候補者だと指摘した。

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