上白石萌音×京本大我で宮部みゆきの“時代劇×ホラー”「震える岩」が初の映像化

上白石萌音が、テレビ朝日系にて5月4日に放送されるテレビ朝日ドラマプレミアム 宮部みゆき原作「霊験お初~震える岩~」(午後9:00)で主演を務め、京本大我が共演することが分かった。

「霊験お初~震える岩~」の原作は、現代ミステリーから時代小説、ホラー、SF、冒険ファンタジーと幅広いジャンルでベストセラーを送り出してきた宮部みゆき氏の傑作小説「新装版 震える岩 霊験お初捕物控」(講談社)。テレビ朝日と東映がタッグを組み、初の映像化が実現する。

江戸時代後期の享和2(1802)年、第11代将軍・徳川家斉の治世の江戸を舞台に、普通の人間には見えないものが見え、聞こえないものが聞こえる不思議な力=“霊験”を宿した主人公の町娘・お初(上白石)が、突如自身に宿った力に戸惑いながらも、人にはない力を持った者の務めに気付き、力強く立ち向かっていく。

霊験に目覚めたお初に協力を依頼するのが、南町奉行・根岸肥前守鎮衛。肥前守は世間でささやかれる不可思議な奇談を収集し「耳袋」という書物にまとめたことで歴史に名を残した実在の人物だ。肥前守からお初のサポート役を命じられた与力の古沢右京之介(京本)。右京之介は一見、頼りない草食系男子だが、実は鋭い洞察力で事件の本質を見抜く切れ者。お初と右京之介は、一度死んだ男がよみがえったという奇怪な事件や、「忠臣蔵」にまつわる悲しくも切ない物語と出合うこととなる。

上白石は「宮部みゆきさんといえば、私の中では時代小説の印象が強く、その世界の中に入ることができるのをとてもうれしく思いました」とかねて宮部氏のファンだったそうで、「私は東映の京都撮影所が大好きなので、また、スタッフの皆さんと一緒に新しい時代劇を作ることができるんだ、とワクワクしました」と喜びを表する。

京本も、出演オファーを受け、「時代劇はとても久しぶりでしたし、そもそも経験値があまりなかったので、最初はちょっと身構えた部分もあったのですが、脚本を読ませていただいたらテンポの軽快さとゾッとする怖いシーンとのメリハリにものすごく引き込まれました。これを実写化したらどうなるんだろうというワクワク感、高揚感があり、撮影が楽しみでした」と率直な心境を明かす。

自身の役どころについて、上白石は「お初は、人には見えないものが見えたり、聞こえないものが聞こえたりする力を持っています。原作と違って、ドラマではその力に目覚めるところから描かれるので、怖がったり戸惑ったりする等身大の気持ちに共感していただけたらと思いながら演じました」とドラマならではの物語もアピール。

また、「現場にはメークさんや衣装さんの職人技でゾンビや死霊など尋常じゃないものがたくさん出現し、しかも照明の当て方もとても恐ろしくて…演じていて、本当に怖かったです(笑)。でも撮影が続くと慣れてきて、死霊役の方々と談笑したりとシュールで楽しかったですね」と“時代劇×ホラー”ならではの映像や演出も楽しんだ様子。

バディを組む京本に関して、上白石は「京本さんは常にフラットで実直な方なので、私自身も無理せずにいられて、現場の居心地がすごくよかったです。右京之介という役にこれ以上ないほどぴったりとハマっていて、だからこそ私も自然とお初になることができたと感謝しています」と、その存在に助けられたとのこと。

対する京本も「僕はミュージカルに出演させていただく機会が多く、上白石さんもミュージカルに挑戦されている印象が強かったので、いつか舞台の上でお会いすることになると勝手に思い込んでいました。だから、こんな意表を突いた形での初共演はびっくり」と時代劇で初共演を果たしたことに驚きつつも、「上白石さんが、そのお人柄で現場を柔らかく包み込んでくださるので、毎日楽しく撮影させてもらいました」と雰囲気のいい現場で撮影できたことを報告。

最後にあらためて、上白石は「お初と右京之介は、身分はかなり違いますが、そういうものを超えて対等に協力し合いながら謎に向かっていく面白いバディ。お初にも不思議な力がありますが、右京之介にも持って生まれたある才能があって、足りない部分を補い合ったり、得意分野でお互いを助け合ったりする感じが、演じていて気持ちが上がりました!」と話し、「江戸時代の物語ですが、“人間っていつの時代も変わらないんだな”とさまざまな意味で感じていただける作品だと思います。身近な人たちと一緒に、親しみを持って見ていただけたらうれしいです。ぜひ楽しんでください!」と力強くアピール。

京本も「2人は身分こそ違いますが、互いに信頼し合い、徐々に育まれた絆によって、居心地のいい関係性を構築していきます。ゆくゆくは右京之介が尻に敷かれるんだろうなと予感しちゃうぐらいのパワーバランスです(笑)。視聴者の皆さんにかわいらしい、癒やされる2人だなって思っていただけたらいいな。ホームズとワトソンみたいなバディ感があると思います」と魅力に触れつつ、「お初と右京之介の関係性のほかに親子関係や夫婦関係が描かれるほか、ホラーやミステリーの要素もあって、これでもかというぐらい盛りだくさん。幅広い層のみなさんに楽しんでいただける作品です。この作品を見ていろいろなことを感じて次の日の活力にしていただけたら幸いです」と呼び掛けている。

なお、今回の実写ドラマ化にあたり、宮部氏からもメッセージが到着。「駆け出しの頃、手探りで一生懸命に書き上げた懐かしい作品が、年月を経て、上白石萌音さんと京本大我さんという、今最も新鮮なパワーをお持ちの役者さんに演じていただくことで映像化されました。萌音さん、時代劇でもかわいい! お江戸の不思議ミステリーを、たくさんの視聴者の皆さまに楽しんでいただけますよう願っております」と期待が寄せられている。

© 株式会社東京ニュース通信社