ベトナム、石炭輸入を拡大 外資の電力不足懸念を払拭

Francesco Guarascio Khanh Vu

[ハノイ 26日 ロイター] - ベトナムの税関当局データによると、年初からの石炭輸入は前年同期の2倍近くに達している。政府は、昨年のような電力不足で生産活動に支障が出るとの外資企業の懸念を払拭しようとしている。

ベトナムでは韓国のサムスン電子や台湾のフォックスコン、日本のキヤノンなど多国籍企業が製造拠点を構えているが、昨年夏に猛暑で電力不足が深刻化し、一部の工場は稼働停止を余儀なくされた。

国営メディアによると、ファム・ミン・チン首相は先週の海外投資家との会合で、今後電力不足が発生することはないと表明した。

シンガポールのシンクタンクISEASの研究者は、ベトナムでは再生可能エネルギーの活用に限界があり、石炭の輸入拡大は避けられないと指摘する。

ベトナムは主にオーストラリアとインドネシアから石炭を輸入している。税関データによると、年初から3月15日までの石炭輸入は前年同期比約88%増加した。1─2月の国内の石炭生産も3.3%増加している。

市場関係者によると、鉄鋼などエネルギー集約型産業の生産拡大が見込まれる今年下期に石炭輸入は一段と増える見通し。

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