15年来の知人、頭部に重傷も放置…容疑で逮捕の露天商男性を不起訴 さいたま地検、理由は明らかにせず

頭に重傷の知人放置露天商男性を不起訴

 昨年9月、頭に重傷を負った知人男性を埼玉県入間市内の路上に放置したとして、今年2月7日、保護責任者遺棄の疑いで県警捜査1課と狭山署に逮捕された露天商の男性(71)=東京都青梅市東青梅=について、さいたま地検は25日、不起訴処分とした。処分理由は明らかにしていない。

 放置された男性は翌日に発見されたものの、発見から5日後に搬送先の病院で死亡した。

■頭に重傷負った知人男性を放置、容疑の71歳男を逮捕 男性は民家の駐車場で発見、その後死亡(2024年2月8日付)

 頭に重度な傷害を負った知人男性を放置したとして、埼玉県警捜査1課と狭山署は7日、保護責任者遺棄の疑いで、東京都青梅市東青梅3丁目、露天商の男(71)を逮捕した。男性は放置された翌日に発見されたが、5日後に搬送先の病院で死亡していて、県警が詳しい経緯を捜査している。

 逮捕容疑は昨年9月21日午後6時22~51分ごろ、東京都渋谷区の代々木八幡宮で露店の準備中に転倒し、頭に重傷を負った無職の男性=青梅市黒沢3丁目、当時(78)=に必要な措置を講じず、同日午後10時48分ごろ、同乗する車から降りた男性を入間市内の路上に放置し立ち去った疑い。「置き去りにしたわけではない」と容疑を否認し「車から降りた場所は駅の近くで、電車で帰ると思っていた」と供述しているという。

 捜査1課によると、男性は転倒後、男と仕入れ先などを回る際、作業中に立ち尽くして呼びかけに応じないなど体に異変が生じていて、入間市の西武池袋線元加治駅近くの路上で突然降車したという。翌22日午前4時20分ごろ、降車場所から約50メートル離れた一般民家の駐車場に倒れているのを発見されて搬送。27日午前7時半ごろ、病院で死亡した。死因は脳損傷だった。

 男性は知人を介して男と知り合い、露天商の仕事を15年以上も手伝っていたという。男は「気付いたら倒れていた」旨の説明をしていて、県警が当時の状況を詳しく調べている。

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