英伊と共同開発の次期戦闘機、第三国への輸出許可を閣議決定

日本政府は26日、イギリスとイタリアと共同開発している戦闘機の輸出を許可することを閣議決定した。日本はこのところ、平和主義政策から離れる動きを見せている。

武器輸出の緩和により、日本が防衛協定を結んでいる相手で、かつ戦闘が行われていない国への戦闘機売却が可能となった。

日本は中国や北朝鮮による脅威を理由に、2027年までに防衛費を2倍にするとしている。

当局によると、戦闘機を輸出する際には、個別案件ごとに閣議で決定する必要がある。

日本は2022年12月、英伊の戦闘機共同開発計画に参画。戦闘機「テンペスト」には、人工知能(AI)と操縦を補助する最新センサーが搭載されるという。

また、岸田文雄首相は4月にアメリカを訪問する予定で、首相はその機会に日米の同盟関係を強調し、さらに防衛パートナーシップに関与する用意があることを示すとみられている。

岸田首相はさらに、第三国への戦闘機輸出を認めることは、将来の国際的な防衛プロジェクトのパートナーとしての日本の信用を維持するために「必要」だとの見解を示した。

林芳正内閣官房長官は記者会見で、「わが国の安全保障環境にとって必要な性能を満たした戦闘機を実現し、日本の防衛に支障をきたさない」ようすることが必要だと述べた。

一方で、木原稔防衛相は輸出について「厳格な決定プロセス」を経ることで、「平和国家としての基本理念」を引き続き堅持することをより明確な形で示すことができると考えていると述べた。

平和主義政策からの転換

第2次世界大戦後、アメリカ占領下の日本は自衛を除いて戦争を禁止する憲法を採択した。憲法は軍隊を公式に認めず、自衛能力に限定している。

当初制定された「武器輸出三原則」は武器輸出を全面禁止していたが、2014年の安倍政権下で50年ぶりに緩和され、「防衛装備移転三原則」となった。

昨年12月にはこの「防衛装備移転三原則」をさらに改定。それまでは、ライセンスを持つ企業のある国から受注した「ライセンス生産品」の部品のみ、ライセンス元の国に送ることを認めていたが、完成品も送ることができるようになった。

この改定を受け、外務省は地対空迎撃ミサイル「パトリオット」をアメリカへに輸出する方針を決定した。アメリカは日本のこの決定によって、自国の備蓄ミサイルをウクライナに送れるようになった。

(英語記事 Japan to sell fighter jets in latest break from post-war pacifist ideals

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