子どもが生まれてから考えたいことの1つに、保険の見直しがあります。「学資保険の医療特約は付けた方がいいの?」「医療特約はいらないと聞いたけど本当?」など、疑問を持っている人もいるでしょう。
「学資保険」は子どもの教育資金を準備するために加入するものですが、中には「医療特約」を追加して病気や怪我に備えられるタイプもあります。
この記事では、学資保険の医療特約とはどのようなものか、必要なのか解説します。
この記事でわかること
- 学資保険の医療特約とは何か
- 学資保険の医療特約は不要といわれる理由
- 子どもの医療保険を手厚くする方法
学資保険の医療特約とは
学資保険の中には、特約(オプション)として、子どもが病気や怪我に見舞われたときの保障を付けられるものがあります。
医療特約の内容は保険会社によって異なりますが、入院した際は「入院給付金」、手術を受けた際は「手術給付金」が受け取れることが多いです。
一般的な医療保険や共済には、通院したとき、ガンなど三大疾病になったとき、死亡したときなどさまざまな状況に合わせた保障を付けられます。それらと比較すると、学資保険の医療特約は比較的シンプルな内容といえます。
学資保険に医療特約は不要といわれる理由
学資保険の医療特約は、子どもを守るための保障を追加できるというメリットがあります。しかし、実は「学資保険の医療特約はいらない」と評されることも多いです。その理由は、以下の通りです。
- 自治体の医療費助成で十分なため
- 教育機関で共済制度に加入していることが多いため
- 子どもは入院率が低く入院日数が少ないため
- 学資保険の医療特約は医療保険としては不十分なため
- 学資保険の医療特約を付けると返戻率が下がるため
自治体の医療費助成で十分なため
近年、多くの自治体では子どものための医療費助成制度を用意しています。内容は地域によって異なりますが、例えば「18歳まで医療費無料」「1回あたり500円で受診できる」などです。
助成が手厚い自治体なら、ほとんど医療費がかからずに済むケースもあるでしょう。医療費が高額にならないため、わざわざ医療特約で備える必要はないと考える人が増えても不思議ではありません。
医療特約を検討するときは、まず自分の自治体に助成制度あるのか、どれくらい手厚いのかを確認してみるのがおすすめです。
教育機関で共済制度に加入していることが多いため
子どもは、登校中や部活動中などに怪我をすることもあります。そんなときのために、日本スポーツ振興センターの「災害共済給付制度」があります。
災害共済給付制度は、学校(幼稚園等も含む)の管理下にある状況で子どもが負傷したり病気になったりした場合に、保護者が給付金を受け取れる制度です。学校側が保護者の同意を得て契約し、加入率は約95%に上ります。
例えば休憩時間に遊んでいて負傷した、給食で食中毒になった、体育の授業中に熱中症になったケースが対象で、医療費の4割が保障されます。障害状態になったときや死亡時の給付もあります。
この制度にすでに加入している人も多いため、医療特約を追加する必要はないという意見があります。
子どもは入院率が低く入院日数が少ないため
そもそも、子どもの入院率は低く、入院日数も少ないため、医療費がかかりにくい傾向があります。厚生労働省「患者調査の概況」によると、1~19歳の入院率は、全年代平均の10分の1程度です。
また、同調査では、入院する場合の日数は全年代の平均は32.3日でしたが、0~14歳は8.9日、15~34歳は12.2日となっています。
学資保険の医療特約は医療保険としては不十分なため
前述の通り、学資保険の医療特約は入院給付金と手術給付金の2つがメインです。それ以外の保障はない、もしくは少ないことが多いです。一般的な医療保険や共済と比較すると、手薄に感じるかもしれません。
子どもの医療費に対する備えを強固にしたいなら、学資保険の医療特約ではなく、別で医療保険などに加入した方がよいでしょう。
また、学資保険の医療特約は、「学資保険を解約して医療特約だけ残す」ことができません。何らかの事情で学資保険を解約することになった場合、医療に関する保障もなくなってしまう点に注意が必要です。
学資保険の医療特約をつけると返戻率が下がるため
学資保険を選ぶとき、返戻率に注目する人もいるでしょう。
学資保険に医療特約を付けると、返戻率が下がります。なぜなら、医療特約を付けた分、保険料がアップするからです。受け取れる金額が同じなら、支払った金額(保険料)が高いほど返戻率が低くなります。
返戻率を重視したい人にとっては、医療特約は不要と感じるかもしれません。
子どもの医療保険を手厚くする方法
学資保険の医療特約は不要だといわれることも多いです。しかし、突発的な事故に巻き込まれたり、大きな病気が発覚したりする可能性はゼロではありません。
子どもの医療に対する保障をしっかりと確保しておきたい場合、次のような方法があります。
- 医療保険に加入
- 共済に加入
医療保険に加入
学資保険に医療特約を付けるのではなく、学資保険とは別に医療保険を契約するという方法があります。
医療保険は、医療特約よりも内容が充実していることが多いです。また、保障内容の追加や変更にも柔軟に対応しやすいでしょう。
学資保険は子どもが18歳頃になると積み立てたお金を受け取って終了するため、その時点で医療特約も消滅します。しかし、医療保険は子どもが大人になってからもずっと継続することができます。
保険は、若いうちに加入しておいた方が保険料は安く済みます。そのため、子どものうちに加入しておき、大人になったら「契約者や受取人を親から子に変更して本人に渡す」という使い方をする人もいます。
共済に加入
もう1つの選択肢が、共済に加入することです。共済は、民間の保険会社ではなく、協同組合などの非営利団体が運営しています。医療保険同様、毎月の掛金(保険料のようなもの)を支払っていれば、病気や怪我の際にお金が受け取れる仕組みです。
共済も、医療保険同様、学資保険の医療特約より内容が充実していることが多いです。しかも、年齢に関係なく「月1,000円」など掛金がわかりやすく、金額が手頃という特徴もあります。
保障内容のカスタム性を重視するなら医療保険、保険料の安さを重視するなら共済がおすすめです。
学資保険の医療特約のみの解約はできる?
学資保険では、医療特約のみの解約が可能です。逆に、医療特約だけを残すことはできません。
- 学資保険を残して、医療特約を解約:可能
- 医療特約を残して、学資保険を解約:不可
医療特約を解約すれば、その分保険料が安くなります。しかし、いったん解約すると元に戻せないため、よく考えたうえで決断しましょう。
解約の手続きは、書面への記入が必要なことが多いです。保険会社のコールセンターに電話する、窓口に出向く、保険会社の担当者に連絡するなどして、必要書類をそろえましょう。その際、解約したあとの保険料がいくらになるか確認しておくのがおすすめです。
学資保険を検討するなら無料のFP相談がおすすめ
学資保険のことで迷ったら、専門家に相談してみるのも1つの方法です。
保険に詳しいファイナンシャルプランナー(FP)なら、家計の状況や価値観を理解したうえで、学資保険に入るべきなのか、入るならどの学資保険がよいのか、医療特約を付けるべきかなど、さまざまな相談に乗ってくれるでしょう。
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保険マンモスの口コミや評判については、こちらの記事『保険マンモスの口コミ評判やメリット・注意点!FPを指名できる?イエローカード制度とは?』も参考にしてください。
まとめ
学資保険の医療特約は、不要という声も多いです。特約を付けると返礼率が下がるうえ、医療特約がなくても自治体の助成制度などで医療費がまかなえる可能性が高いからです。
子どもの病気や怪我に備えるなら、学資保険に特約として付けるのではなく、単独で医療保険や共済を別途契約するという方法もあります。いずれの場合も、契約内容をよく理解したうえで加入するようにしましょう。
よくわからないときは、FPなど専門家に相談するのも1つの方法です。