ウルブズがウォリアーズを26年ぶりにシーズンスウィープ。カーHCが「我々相手に素晴らしい活躍をする」と明かした“要注意人物”とは?<DUNKSHOOT>

ミネソタ・ティンバーウルブズは、3月24日(日本時間25日、日付は以下同)にホームのターゲット・センターで迎えたゴールデンステイト・ウォリアーズ戦、前半で12点ビハインドを背負っていた。

しかし、そこからチームは立て直し、最終スコア114-110で制して2連勝。今季成績をウエスタン・カンファレンス3位の49勝22敗(勝率69.0%)とし、首位デンバー・ナゲッツ(51勝21敗/勝率70.8%)を1.5ゲーム差で追っている。

「我々は混み合ったペイント内へ侵入し、キックアウトを決めた。至ってシンプルなバスケットボールであり、それがすごくうまくできていた」とクリス・フィンチHC(ヘッドコーチ)が振り返ったように、この日のウルブズは今季最多タイとなる21本の3ポイントを決め、成功率も52.5%と効率良くアウトサイドから加点した。

チーム2位の平均22.1点に8.4リバウンド、3.0アシストを残すオールスタービッグマンのカール・アンソニー・タウンズをケガで欠くなか、アンソニー・エドワーズが23得点、6リバウンド、8アシスト、ルディ・ゴベアが17得点、12リバウンド、マイク・コンリーが14得点、7アシスト、4スティール、ニキール・アレキサンダー・ウォーカーが11得点、カイル・アンダーソンが10得点、6リバウンド、5アシスト、2スティールをマーク。
ウォリアーズはステフィン・カリーがゲームハイの31得点に3アシスト、クレイ・トンプソンが16得点、アンドリュー・ウィギンズが15得点、ジョナサン・クミンガが14得点、ドレイモンド・グリーンが12得点、8リバウンドを記録したが2連敗となった。

ウォリアーズにとって厄介だったのは先発出場したナズ・リード。ドラフト外から這い上がった206㎝・120㎏のビッグマンは、20得点に12リバウンド、2ブロック、3ポイント成功率75.0%(6/8)で逆転勝利に大きく貢献した。

試合前の会見で、ウォリアーズのスティーブ・カーHCはリードについて「彼は我々相手に素晴らしい活躍をする。ウォリアーズキラーなんだ。我々との試合で、彼はこれまでいくつもいいゲームをしてきた」と話していたが、この日もその名に恥じないパフォーマンスを披露した。

キャリア5年目の24歳は、ここまで70試合の出場で平均13.1点、5.1リバウンド、1.2アシストに3ポイント成功率42.1%(平均2.1本成功)と、ウエスト上位チームの主力の一角として自己最高のシーズンを送っている。
カーHCが話していたように、リードは対ウォリアーズ戦15試合で平均14.6点、6.4リバウンド、フィールドゴール成功率53.4%、3ポイント成功率45.3%をマーク(今季は3試合で平均13.3点、6.7リバウンド、フィールドゴール成功率58.3%、3ポイント成功率62.5%)。得点はクリーブランド・キャバリアーズ戦の平均14.7点に次いで自身2位の数字となっている。

もっとも、リード自身は特に意識しているわけではないようだ。
「僕はただコートへ出て競い合っているだけ。(ウォリアーズに対して)特に何かあるわけじゃない。とにかく競い合い、自分のベストを尽くしているだけさ。相手の穴を見つけて、彼らに対してアドバンテージを手にしているんだと思う」

タウンズ不在が続くウルブズだが、リードの活躍もあり、ここまでウエスト3位を死守している。ウォリアーズ相手に1997-98シーズン以来のシーズンスウィープを達成したチームは、残り11試合で多くの勝利を重ね、さらに順位を上げたいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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