中国当局、質素な結婚式を奨励 婚姻と出生率引き上げへ

Farah Master Nicoco Chan

[香港/上海 26日 ロイター] - 中国の女性団体、中華全国婦女連合会は、何百人も招待するような伝統的な大規模結婚式ではなく、「質素な」結婚式を奨励する記事をネットに掲載した。

この記事は26日、中国のサーチエンジン百度(バイドゥ)の「ホットリスト」で取り上げられた。

中華全国婦女連合会は、若者が大きな結婚式を挙げるための費用や時間に疲れ果てていると指摘。高級車を借りたり、派手なカメラマンを雇ったり、招待客に記念品を贈ったりといったことを止めて、家族や親しい友人のために小さなパーティーを開くという選択をする人が増えているとしている。

よりシンプルなスタイルへの移行は、将来の良い習慣を発展させるために重要だとし、「社会的な観点から、幸せな出来事のためのぜいたくなお祝いは悪い習慣だ。必要最低限に抑えた結婚式が増えていることは、質素な結婚式への需要に応え、良い習慣を発展させるのに役立つ」と説明している。

中国では新型コロナ禍で先延ばししていたカップルの結婚が増え、2023年の婚姻数は前年比12.4%増加し、約10年ぶりにプラスに転じた。

23年の中国の人口は2年連続で減少した。当局は出生数の減少に歯止めをかけようとしている。婚姻率は出生率と密接に結びついており、婚姻率が上昇すれば、出生率も上昇し、人口減少の緩和につながると期待されている。

多くの若者は、多額の費用を理由に結婚や子どもを持つことに二の足を踏んでいる。中国の著名シンクタンクによると、中国は一人当たりの国内総生産(GDP)比で子育て費用が最も高い国の一つ。

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