副業で20万以上稼ぐと確定申告が必要に! 初心者が効率的に行うポイントは?

毎年2月中旬から3月中旬は、確定申告のシーズンで、今年も予定通り進みました。

2024年は「インボイス制度」が始まってから初の確定申告となり、内閣官房によると、新たにインボイス制度に登録した111万人の事業者が、従来の「所得税の確定申告」に加えて「消費税の確定申告(消費税申告)」をはじめて実施したようです。例年と比べて大きな変化があったことで、話題に上っています。

会社員でも副業を行っており、確定申告が必要な人もいるでしょう。毎回、対応するのが厄介と悩んでいるかもしれません。そこで今回は、税理士に副業者が確定申告を効率的に行うポイントを聞いてみました。来年のために、不安を少しでも解消しておきましょう。

■副業の確定申告が必要になる基準は?

会社に勤めながら副業を行っている人は、確定申告が必要になるケースがあります。

勤務先から給与を受け取っている人を「給与所得者」と呼びますが、給与所得者は、副業で年間20万円を超える所得を得た場合、確定申告が必要になります。

勤務先の会社では年末調整を行ってもらっていると思いますが、それとは別に、副業収入については自分で確定申告を行う必要があるのです。

そもそも確定申告とはどのようなものなのでしょうか。

ここでは所得税の確定申告を指しています。

国税庁のホームページでは、「毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額とそれに対する所得税の額を計算し、源泉徴収された税金や予定納税額などがある場合には、その過不足を精算する手続です。」と書かれています。

出典:国税庁「確定申告とは」(https://www.keisan.nta.go.jp/r4yokuaru_sp/scat2/scat20/scid051.html)

つまり所得に対してかかる税金を計算して申告し、納税するためのものです。

■副業の確定申告の手順

副業の確定申告の手順については、国税庁のホームページで解説されています。スマートフォンから確定申告書の作成コーナーにアクセスし、年末調整済みの人が副業を申告する場合の入力例が書かれています。

●確定申告の流れ(※副業が雑所得に該当する場合)
1.副業に係る雑所得の金額を計算する。
2.確定申告書を作成・送信する。
3.税金を納付する。

1の雑所得の金額の計算については、国税庁のホームページに掲載されている「副業に係る雑所得の金額の計算表」に記入していくだけ。総収入金額と、旅費交通費、通信費、接待交際費、損害保険料、消耗品費などの支出を記載します。これらの金額と源泉徴収票を準備して、スマートフォン上で画面に数字を入力していけば簡単に確定申告が完了します。

出典:国税庁「スマホで確定申告(副業編)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/kisairei/sp/pdf/03.pdf)

■副業を行う会社員が確定申告を効率的に行うポイントは?

副業を行う会社員はスマートフォンで手順通りに実施していけば、手軽にできそうです。

確定申告を効率的に行うポイントを、副業者からの相談も受け付けている、はじめに相談する税理士事務所代表税理士の岡田智香子さんに教えていただきました。

岡田さんによると、次の方法を事前にやっておくと良いそうです。

1.経費(旅費交通費や通信費などの支出)を表計算ソフト(Excelやスプレッドシートなど)に入力し、まとめておく。

2.毎月こまめに収支をまとめておく。

3.副業専用の書類入れ(ドキュメントファイルなど)を用意して、書類を格納しておく。

4.副業専用の銀行口座を作る。

5.副業専用のクレジットカードを作り、経費はすべてカードで支払う(現金は使わない)。

「夏休みの宿題と同様に、日頃からこまめに行っておくことが後から救われますよ。特に副業の規模が大きい方は、1と2の代わりにクラウド会計ソフトを利用し、副業専用の銀行口座やクレジットカードを連携させておくと、よりスムーズに確定申告ができるでしょう」

■確定申告は会計アプリでスピーディーになる? 初心者に嬉しいプロジェクト発足

先日は、クラウド会計ソフトでおなじみのfreeeが、今年度の確定申告に合わせて、確定申告をする個人事業主向けのイベントを開催しました。

イベントでは、個人事業主の確定申告を応援する「『やさしい確定申告』10大プロジェクト2024 by freee」を開始することを発表したのです。

そもそも同社は、経理や確定申告の煩わしさから人々を解放し、誰もが自由に、自分らしくビジネスができる世界の実現を目指しています。昨年にfreeeアプリで簡単に確定申告を行ったユーザーは、一昨年比で2倍に増加したとのことで、すでに多くの人が手軽な確定申告を実感しています。

そんな同社は、引き続き個人事業主を応援する企画をスタート。このプロジェクトでは、完全初心者向けの「平日は毎日開催!freee会計使い方教室」や、freeeの提携先コワーキングスペースやfreeeユーザーがオンラインでつながって一斉に経理作業をするイベント「申告期は毎週水曜開催!オールfreeeデイ」、リアルタイムでも質問できるYouTubeライブ「毎週水曜開催!確定申告&経理作業まるわかりLIVE」などがラインアップされています。

確定申告初心者や、経験はあるけれどいまだに煩雑さに慣れない人にとって心強い味方といえそう。副業の確定申告がわずらわしく感じる人や、今後個人事業主として独立を考えている人は、いずれかの機会に参加してみるのもいいかもしれません。

【監修】
はじめに相談する税理士事務所 代表税理士 岡田智香子さん
「すべての人に、平等に税務サービスを!」をスローガンに、働くあらゆる方の相談に乗っている。特に会社員で副業する方の命題ともいえる「会社にバレずに副業する方法」の相談多数。はじめて税理士に相談する方のために、簡単・分かりやすい・楽しいを心がけている。

はじめに相談する税理士事務所(https://hajimenisoudan.com/)

【参考】

freee「「やさしい確定申告」10大プロジェクト2024 by freeeが始動!一人ではなくみんなで乗り越える新たな確定申告体験」(https://corp.freee.co.jp/news/20240213_yasashiiproject.html)

「〝これだけは知っておきたい〟freeeではじめての確定申告3ステップ!」(https://www.youtube.com/watch?v=kJIOrPriRQc)

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