大学に合格したら祖父から「時計は良いものを付けろ」と、ロレックスをもらいました。明らかに高そうなのですが「贈与税」などは大丈夫でしょうか?

そもそも贈与税が発生する条件とは? 贈与税に例外はある?

贈与税は毎年1月1日から12月31日までの間に一人が受け取った財産にかかる税金であり、基礎控除額110万円を越える際には申告が必要です。

注意点は、複数人から財産を受け取った場合は、財産を合算して計算する点です。Aさんから100万円、Bさんから100万円をもらった際には合算して200万円と計算します。また、贈与の対象になるのは現金だけでなく、「時計や車などの資産価値があるもの」も含まれます。

ただし、すべてのケースで贈与税が発生するわけではなく、扶養義務者からの生活費や教育費、個人から受け取る祝物または見舞いなどの金品で社会通念上相当と認められるものなどは対象になりません。このように贈与税がかからない財産に該当する場合、110万円を越えた財産の贈与を受けたとしても申告はしなくても大丈夫です。

仮に、祝物や見舞いなどの金品で複数人からもらった金額の合算が110万円を越えたとしても、それぞれが社会通念上相当と認められるものなら贈与税の対象にならないと考えられます。社会通念上認められるかどうかはそれぞれの状況で違いますが、例えば結婚指輪として高級なものを贈ったとしても贈与税の対象になると聞いたことはないでしょう。

注意すべきは、社会通念上相当と自分が考えていても、世間一般的に考えた際には過剰と判断される可能性がある点です。

大学に合格した際に祖父からロレックスをもらった場合はどうなる?

大学に合格した際に時計や、長く使えるような良いものをもらうケースは珍しくないですが、ロレックスなどの高級時計の場合は金額がかなり高いかもしれません。

祖父からもらったロレックスが110万円を下回っているならそこまで気にする必要がないのですが、110万円を超えている場合は贈与税の対象になる可能性があります。しかし、大学合格した際にロレックスをもらうなら、祝物としての側面もあるといえるでしょう。

ここで重要になるのはロレックスが社会通念上相当と認められるかどうかであり、祝物だとしても社会通念上相当と認められないと贈与税の対象になるかもしれません。一口にロレックスといっても価格帯は幅広く、どれくらいの価値があるものが贈られるかはそれぞれの状況で違います。

例えば、一生使い続けられるものとして150万円程度のロレックスを大学入学祝いとしてもらう際には社会通念上相当と認められる可能性がある一方、1000万円を超えるロレックスなどは社会通念上相当と認められない可能性も高いでしょう。

具体的にどれくらいの金額が社会通念上相当と認められるかの基準は決まっていないので、慎重に判断しましょう。

まとめ

贈与税は現金以外にも時計や車などの資産にも発生するため、贈与税を避けるために現物で渡せばいいとの考えは通用しません。ただし、すべてのケースにおいて贈与税が発生するわけではなく、生活費や教育費、社会通念上相当と認められる祝物などは対象外になります。

祝物などに関しては具体的な金額が決められているわけではないので、周囲の意見を聴くなどして慎重に判断しましょう。

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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