ローランドDG、MBOに向けたTOBへの応募推奨撤回

Atsuko Aoyama

[東京 26日 ロイター] - 業務用プリンターメーカーのローランドディージー(DG)は26日、MBO(経営陣が参加する買収)に向けた株式公開買い付け(TOB)への応募を株主に推奨する意見を撤回し、中立の立場を取ることを決めたと発表した。対抗TOBを予告したブラザー工業と協議しており、状況次第ではMBOに向けたTOBへの賛同意見を変更する可能性があるとしている。

ローランドDGは2月、投資ファンドのタイヨウ・パシフィック・パートナーズと組み、MBOに向けたTOBを1株5035円で実施すると発表。その後、ブラザーが1株5200円でのTOBを予告していた。

MBOに向けたTOBの価格が、ブラザーの提示価格やブラザーによるTOB開始予定発表後の株価を下回っているため、タイヨウ・パシフィック側に条件変更意向を確認したものの、現時点では条件変更に関する具体的な意向について回答を受けておらず、応募推奨を撤回したとしている。

ローランドDGは、ブラザーによるTOBが自社の企業価値を中長期的に向上させるかについて、一定程度のシナジーが見込まれる一方、相応のデメリットが発生する可能性も想定されると指摘した。引き続き慎重な検討が必要で、MBOに向けたTOBへの賛同意見は現時点でも維持することが相当だと判断しているものの、ブラザーとの協議状況次第では変更の可能性があるとした。

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