能登の建物被害判定、不服8千件 住民の生活再建に影響も

地震で倒壊した石川県輪島市の家屋=3月26日

 能登半島地震の住宅被害を自治体が判定する罹災証明書を巡り、石川県輪島市など6市町で、1次調査判定を不服とした2次調査の申請が少なくとも8千件に上っていることが26日、共同通信の集計で分かった。1次調査件数の1割程度に当たる。判定結果により公的支援に差が出るため、精査を求めるケースが相次いでいるとみられる。証明書は支援金受給や税の減免手続きに必要で、発行が遅れれば、被災住民の生活再建に影響する可能性もある。

 証明書発行に当たり、自治体は損害割合に応じて「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」「半壊」など6分類で判定。外観から判定する1次調査に納得がいかない場合、被災者が立ち会い、建物の中に入って確認する2次を求めることができる。2次は建物内を詳しく調べるため、より時間がかかるとされ、6市町は証明書の発行完了時期を見通せていない。

 共同通信が輪島、珠洲、七尾の3市と穴水、能登、志賀の3町に19日時点で取材したところ、1次調査は計8万2251件実施。うち2次の申請は計8236件に上った。

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