『今日好き。卒業編2024 in セブ島』最終話ーー人気継続メンバー・きさきの旅の結末は?

2月19日よりABEMAにて放送中の恋愛番組『今日、好きになりました。卒業編2024 in セブ島』(以下:今日好き)。現役高校生たちが3泊4日の修学旅行に飛び出し、運命の恋を見つける同番組には、時に甘酸っぱく、思わず胸がキュンとするような青春と恋模様が溢れんばかりに詰まっている。

以下より、3月25日公開の最終話から見どころを紐解いていく。細かなネタバレもあるためご注意いただきたい。

・きさき、かつての大恋愛で流した涙「自分の気持ちにウソはつけませんでした」

「きさきはこの後に「好きになれなかったらどうしようって怖くて」と、自身の気持ちが追いついていないことに泣いてしまう場面も。こうしたピュアな涙も、恋愛経験が少ない高校生だからこそ」(参考:『今日好き。プーケット編』4話ーー安定カップルが揺らぎ始める……告白直前、涙するメンバーも https://realsound.jp/tech/2022/09/post-1138692.html)

遡ること、約1年半前。思えばあの頃から、きさき(寺島季咲)は泣いてばかりだった。

冒頭に引用したのは、彼女が『今日好き』に初参加した旅の4話にて、筆者の所感を綴った記事の一部分である。

その翌週の最終話でのこと。残念ながら、記事での紹介こそ割愛してしまったのだが、当時に想いを寄せられた相手から告白をされた場面。「長くなるし、上手く話せないかもしれないけれど、聞いてほしいです」と、きさきは初めての『今日好き』と、そこで好きに“なりかけた”人について振り返り始めた。

「大好きって思える人と付き合いたいと思っていて、たくさん考えて、考えて、考えて。でも、今回の告白を受けることはできません。本当にごめんなさい」

想いを寄せられた男子との共通点は、お互いに人生で一度も恋愛経験がないこと。とにかく積極的にアピールをされたが、だからこそ「それでも好きになれなかった自分がイヤで、あんなにたくさん言ってくれて、ドキドキしてうれしかったけど、大好きって思えなかったです」「自分の気持ちにウソはつけませんでした」と、大粒の涙をぼろっぼろに溢しながら語ってくれていた。

過去4年間、『今日好き』の旅を(勝手ながらに)見守り続けているが、あれほど純粋で、無色透明な涙を流していたメンバーは、きさき以外のほかにはいない。「自分の気持ちにウソはつけませんでした」という言葉に、たった一文字も嘘がなかった。本当にそう思っている。

筆者は当時こそ、当事者たちは高校生ながら、お互いに恋愛経験がないことで、逆に大恋愛になりすぎてしまったこと。もしかすると『今日好き』以外の場所で出会っていれば、幸せな未来が待っていたかもしれないこと。きさきと付き合える相手は、きっと長続きをさせたいと思うに違いないこと。延いては、2泊3日の間で恋のきっかけを見つけ、それを育むという『今日好き』のシステムの限界にすら想いを馳せてしまっていた。

だが、どうだろう。あれから約1年半に及ぶ旅の末ーーきさきがついに、運命の相手と結ばれたのだ!

・そうた、きさきの幸せを願う鳥に「きさきちゃんの全部がとても大好きです」

きさきに告白したのは、そうた(米山颯太)、えいじ(吉田叡史)のふたり。ともに、前回の『卒業編2024 in プーケット』からの関係を持ち越してきたメンバーである。この後、きさき本人の口からも同じ言葉が出てくるが、彼女があれほど悩み、あれほど心を動かされてきた男子たちだ。たとえカップルとして付き合えずとも、彼らが素敵な人じゃないはずがない。

まずは、そうたから告白。「きさきちゃんの目を見てニコニコ笑ってくれるところとか、周りのことを考えて気を遣えるところとか、いろんな髪型が似合うところとか。あとはツボが浅いところとか、きさきちゃんの全部がとても大好きです」「1カ月前の旅から、僕は絶対にきさきちゃんと成立するって決めて、この旅に参加しました! 僕が絶対に、きさきちゃんを幸せにする鳥になります!」。ラスト、羽ばたけるかーー。

プレイバックすること、告白の直前。思い出のアルバム作りでのこと。えいじはきさきの隣で作業をしようとするも、“最後に話したいから”という理由で、彼女はそうたの隣を選んだ。思い出深い、お揃いのフラミンゴのぬいぐるみを撮影した写真もアルバムにぺたりと貼った。この旅を通して、そうたへの想いは膨らむ一方で、期待度も常に右肩上がりだった。先ほどの告白の言葉を受けて、そしてこれまでの旅の思い出を踏まえて「一緒にたくさん、楽しい時間を過ごせてすごいうれしかったです」と、きさきも答えた。

それでも「真剣に考えたけど、そうたくんの気持ちに、答えることはできません」。カップル成立には、あと少しだけ届かなかった。

「きっと、そうたくんだったから、こんなに悩んでたくさん心が動いたんだと思う。だから、私を好きになってくれて、本当にありがとう」

これほどまっすぐ、かつキッパリと、そしてそうた本人も告白の言葉で伝えた通り、相手への思いやりを感じる言葉を投げかけられたら、それはもう、きさきの幸せを願うほかない。そうたはむしろ、最初からそうしようとしてきた。少しだけ……いや、少しじゃないかもしれないが、未来の形が、思っていたのと違っただけなのだ。

・えいじ、きさきに運命の告白 伝えた言葉は「その笑顔の理由が、オレであったら」

それでは、えいじは?

告白の言葉は「きさきちゃんと過ごした2回の旅は、自分にとってかけがえのない時間になりました」。「今回も前回も、きさきちゃんの笑顔がたくさん見れて、すごくオレは幸せな気持ちになったし、これからもきさきちゃんには笑顔でいてほしいなって思います」「そして、その笑顔の理由が、オレであったらいいなって思っています」と、最後まで“漢”を感じる言葉を並べて、気持ちを伝えるえいじ。

『卒業編2024 in プーケット』でこそ、。きさきに想いを寄せられ、気持ちも絞られながら、そのチャンスを逃してしまった。この旅は、とにかく“挽回の旅”だった。そうたがフラれたのであれば、えいじもまた……。

きさきが、答えを出す。

「たくさん悩んだけど、やっぱり私、えいじくんのこと、ずっと考えちゃうの! 私も好きです、よろしくお願いします!」

……そう来たか! 本当に信じられないが、きさきがついに、カップル成立! 全部で5回にもわたる旅を終えて、本当に大好きだと思える運命の相手に巡り合った!

あのきさきが、あのえいじと手を繋ぎ、思いっきりハグをしている光景。約1年半前のあの頃、こんな光景が見られるとも、こんなに時間が掛かるとも思っていなかった。

「自分の気持ちにウソはつけませんでした」「大好きって思える人と付き合いたいと思っていて、たくさん考えて、考えて、考えて」。きさきが当時、涙ながらに語っていた真念は、いまなお健在だった。

自分の気持ちにウソをつかず、大好きだと思える人とたくさん考えて付き合うこと。当時から、自分の気持ちを正直に、かつたくさんの言葉を使って語る人だと感じていたが、そこに語りきれないほどの経験が伴って、さらに芯が強く、そして表情とともに大人びた印象を受けるようになった。恋愛経験がないことで、逆に大恋愛になりすぎることなどない。最初から向き合っていたのが、ただ単純に大恋愛なだけだった。

ここまでのVTRを観て、スタジオで大号泣だったのが、きさきファンの筆頭であり、“恋愛見届け人”の中川大輔。俳優業ながら、“ドラマ撮影の演技でもそこまで泣かないでしょ!?”というくらいの大号泣ぶり。ただ、長年にわたる『今日好き』視聴者であれば、ほとんどが彼と同じ状態になって「よかったぁ~」と声を上掠れさせていたに違いない。だって、あのきさきが、大好きなえいじとようやく結ばれたのだから。

えいじときさきは最後、目の前に広がる海に向かって、お互いの想いを叫び合うことに。同時に発した言葉は、えいじが「今日好きのなかで、オレがいちばん幸せだ!」。きさきが「フィリピンで、いまがいちばん幸せです!」。笑えるくらい当たり前ながら、お互いの言葉が揃うことはなかった。

このシーンを観て、ふたりに伝えたい想いが山ほどあるが、ひとつだけ言わせてほしい。いや、フィリピンで、とか、『今日好き』で、とか関係なく、いまこの世界でキミらがいちばん幸せでしょ。カップル成立、心の底からおめでとうございます! 天晴れ。

(文=一条皓太)

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