滋賀県の守山市立中学校の元生徒が教員の不適切な指導を苦に自殺未遂した問題で、森中高史市長は調査を行う第三者委員会について「設置することは考えていない」と述べた。
元生徒は2019年7月、他の生徒をいじめたと学年生徒指導の教員らに誤解されたまま指導を受けた。元生徒側は、教員から「お前みたいな人間を最低な人間って言うんやぞ」と言われ、「最低な人間」と言わされたと訴えているが、教員らは否定している。その後も不適切な指導などがあり、21年に自殺未遂を起こした。
森中市長は、「教員の威圧的な言動や不適切な指導が原因で、元生徒が自殺未遂を起こしたのは申し訳ない」とした上で、設置しない理由として「元生徒側と教員側の間で指導内容について認識に相違があり平行線の状態になっている。指導を受けた場には元生徒と教員2人しかおらず、第三者調査委員会を設置しても新たな事実が出てくることはないと思われる」と述べた。「保護者に納得いただけていないのは残念。認識の相違を埋める努力をしたい」とした。
教員らの処分に関しては「不適切な指導が繰り返されているわけではなく、現時点では考えていない」とした。