尖りまくりの漆黒ドライバー HS40m/s未満の女子プロ評価は！？

コブラ「DARKSPEED（ダークスピード）」シリーズは、前作「AEROJET（エアロジェット）」のスピードと飛距離を追い求めたテクノロジーをさらにアップデート。光を包み込むほど速いDARK＝暗闇の意を込めた性能は、文字通り尖りまくった飛びを実現させた。今回は、そんな注目シリーズからハイドローモデル「ダークスピード MAX ドライバー」をピックアップする。ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。まずは、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「ハードさは想像以上 『LS』に至っては史上最高難度」

―率直な印象は？
「前作『エアロジェット MAX ドライバー』で感じた、前々作『キング LTDx MAX ドライバー』から大きく変わったイメージが、そのまま継続されている印象を受けました。ロースピン性能の度合いが強く、強弾道を生む特性がそのまま引き継がれています。『MAX』ということで、同シリーズ兄弟モデル3機種の中では一番やさしいモデルだと思いますが、それでも難しく感じるということは、全体的にハードルの高いコンセプトなのでしょうか」

―見た目からしてシビア？
「デザインはシンプルでボテッとした印象はないですが、特別小ぶりでシャープすぎるわけではありません。ですが、真っ黒なカラーリングと、構えた際にすごく直線的に見える（バルジ&ロールの丸みがない）フェース面、さらに同社特有の三角形に近い全体フォルムが、他社と比べて操作性を意識している構造には見えます。そこからボールのつかまり具合や上げやすさをイメージすることは難しいのかも…。シビアな印象はないですが、十分なやさしさを備えた他社の『―MAX』モデルとは違った性格に見受けられます」

―打感のフィーリングは？
「硬めのフィーリングがかなり特徴的です。若干硬めで、しっかりボールの当たる音の出る打感は嫌いではないのですが、適度なやわらかさを有した最近のドライバーの中では、異質な硬さを感じます。以前、マイクラブとして使用していたピン『G410 PLUS ドライバー（2019年発売）』も打音が硬めに聞こえる音色で、好き嫌いの分かれるモデルでしたが、それに近い印象。これから試打される方には、今では珍しい硬めな打感と特徴のある打音を味わってほしいと思います」

―兄弟モデルと比べると？
「『―X』は兄弟モデルの中では直進性の高いモデルですが、相当ボールコントロールに手を焼きました。『―MAX』で抱いた難しさがより増大している印象。このハードさは『―LS』になるとより拍車をかけていて、私にはお手上げ状態…。この場ではうまく当たるかもしれませんが、これを続けようとすると徐々にしんどくなることは目に見えています。3機種の中で一番やさしい『―MAX』が、他社でいうところのスタンダードモデルより若干難しいレベル。『―X』が他社の『LS』級で、『―LS』はもはや同類が見つからない領域といったところです」

―カスタム調整すればマイルドになる？
「チャレンジする価値はあるかもしれませんが、構えたときの見た目は変わらないので、どうかな…とは思います。やってみるとしたら、もう少しシャフトのしなり量が大きく、先端側が走るタイプで、やわらかさを感じられるスペックでないと厳しいでしょう。何せこれ以上に弾道の高さが出ないことには、最低限の飛距離が生まれないので…（平均200.1yd）。HS30m/s台の私にとってツアーモデルはどうしてもハードに映ってしまうことが多いのですが、今シリーズはまさしくといった感じ。特に『―LS』は、試打史上最高のハードルの高さと呼んでもいいかもしれません」

―どのような人向き？
「『―MAX』でもある程度HSがないと、ボールを上げきれないと思うので、最低でもHS40m/sはないと厳しいでしょうか。あとはソールウエートを入れ替える調整機能が付いているので、ヒール寄りに重さを持っていけば、もう少しつかまり具合を高められるとは思いますが…。対象ターゲットは、カスタムが好きな飛距離を求める男性ゴルファー限定。私のようなゴルファーには、『―MAX』でも太刀打ちできないハイクラスなシリーズに感じました」

飛距離以外3.5△が並ぶ厳しい結果に…【総合評価3.6点】

【飛距離】4.0
【打 感】3.5
【寛容性】3.5
【操作性】3.5
【構えやすさ】3.5

・ロフト角：10.5度
・使用シャフト：SPEEDER NX for COBRA（硬さS）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋