【内申点】高校受験成功のカギを握る「内申点」とは?

内申点をアップするポイントも紹介

年明けから本格化した受験シーズンが終わり、いよいよ新年度がスタートします。新しい受験生が誕生する時期でもあり、2024年度が受験学年の子どもがいる家庭では長い一年の幕開けとなります。

さて、全国的には「子どもの人生初めての受験」は高校受験というケースが多いです。私立高校、公立高校共に筆記試験を突破したら晴れて合格となります。しかし、高校受験で忘れてはいけないのが内申点の存在です。

私立高校でも内申書の提出が義務付けられている学校はありますが、とくに公立高校受験に関しては内申点の提出は必須であり入試への影響は避けられません。

そこで今回は、中学校生活を送る上で気をつけたい「内申点の上げ方」をご紹介していきます。

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自治体によって異なる入試に関わる内申点の扱い

学習評価に関する法令等の規定、資料等

公立高校を受ける場合、絶対に無視できないのが「内申点」です。一般的に内申書とも呼ばれ、学校での科目別の5段階評価を数値化し、生徒の学校での評価の材料となります。

文部科学省の「学習評価に関する法令等の規定、資料等」でも、調査書(内申書)の記述があり、「学校評価に関して学校が作成するもの等の関係」の箇所に記載されています。

基本的に、進学校になればなるほど当日の筆記試験の点数と内申点では、当日のテストの点数の方が重視されます。

しかし、あまりにも内申点が悪ければ、筆記試験でかなりの高得点をとる必要が出てくるため、簡単に「授業態度が悪くてもテストの点が良ければよい」とは言えません。

国語、数学、英語、理科、社会といった5教科だけでなく保健体育、技術家庭、音楽そして美術を含めた9科目が対象です。そのため、「5教科だけ頑張ればいい」が通用しません。とくにオール5の生徒が多く受験するトップ高校を狙う場合は、9教科まんべんなくよい成績を取ることが必要です。

定期テストの点数だけでなく、普段の授業態度や学習意欲、提出物を期限内に出しているかどうかなど総合的に見られ、成績がつけられます。

公立高校受験の際に必要となる内申点の算出方法や対象となる学年は各自治体によって異なります。中学3年間の成績が対象となる自治体や、中学3年生のみ、または中学2年と3年と全国で統一されていないことも気をつけるべきことです。

そして、対象が中学3年生のみであっても1年と2年時は振るわなかったけれど急激にアップしてオール5に近い成績を取ることは無理があります。一度固定されたイメージを覆すのは容易ではなく、入学当初から授業態度や積極的に委員会や部活動に関わることが望ましいです。

受験5教科の内申点は、授業態度や提出物の締切りを厳守する姿勢なども重視される

内申点では、授業態度や提出物の締切りを厳守する姿勢なども重視される。

内申点を上げるには定期テストで良い成績を上げることは外せない条件です。定期テストが行われる日は次年度の年間スケジュールを渡される際に全て明記されており、学習計画を早めに立てて対策を講じましょう。

「85点以上取る」といった具体的な目標を掲げることも大切です。テストの点数が良いことはテスト勉強をしっかりしている証でもあり、「努力をしている生徒」と受け止められます。

テストの成績で高得点を取るのが難しい場合は、ワークやレポートといった提出物を期限内にしっかり出すことはもちろんのこと、分からない問題や単元を先生に質問することで「学習意欲の高い生徒」と認識され、悪い印象を持ちません。

反対に、授業態度が悪く、提出物を出さない生徒はいくらテストの成績が良くても「5」を取れないこともあります。中学校で受験科目である5教科の内申点を上げるには以下のことに気をつけてください。

  • 定期テストや小テストの成績
  • 授業態度
  • 提出物の締め切り厳守
  • レポート類の課題は手を抜かない

学習指導要領改定で、思考力や読解力など生徒に考えさせる学びが強まっています。理科のようにレポートの課題を課されると生徒の学習意欲が分かりやすいため、とくに力をいれて取り組みましょう。

受験科目ではない教科では、「積極的な授業参加」や「練習する姿勢」も内申点アップのカギ

「積極的な授業参加」や「練習する姿勢」も内申点アップのカギ

国語や数学のような教科とは異なり、受験科目ではない音楽、保健体育、技術家庭、美術は手を抜いても良いという意識が働いてしまうこともありますが、公立高校を受ける際は内申点が見られるため気が抜けない科目です。

どの科目も得意不得意の個人差が大きいため、苦手意識を持っていると授業態度に出やすくなります。しかし、全員が平等にできる訳ではありませんから「授業への積極的参加」が重要なポイントになります。

体育では、運動が苦手な子ばかりが保健体育で「3」になり、運動神経が良い子だけが「5」となるわけではありません。マット運動が苦手でも、どう改善するか自分で考えたり同級生や先生にアドバイスを求める子は良い評価を得やすいです。

美術は絵の上手い下手を気にせず発想力や工夫力で勝負をする、音楽は合唱のテストで恥ずかしがらず、姿勢を正して歌い、リコーダーの練習をしてテストに臨みましょう。

技術家庭科は、段取り良く作業するなど、違う形で子どもの力を発揮できる方法を探りましょう。

5教科に比べると軽視しがちになりますが、入試では内申点としてチェックされる重要な科目です。普段の授業をだるそうに受けず、期末テストでの点数をしっかり取れるよう日頃から親子で話し合いをしてください。

「積極的な生徒」として見られることが、イメージアップになる

「積極的な生徒」として見られることが、イメージアップになる。

中学生になると小学生時代の通知書とは比較にならないほど急に大人社会のように子どもが評価されるようになります。小学生の頃の感覚で進学すると痛い目に遭うので、高校受験に直接影響を与える内申点の重要性を子どもが理解していることも対策の一つになります。

新入学、新年度に備えて内申点をアップしていくには以下のことをできる範囲で取り組んでいきましょう。

  • 委員会に入る
  • 生徒会に立候補する
  • クラスの班の役職に就く
  • 学級委員に立候補する
  • 部活動の役職に就く
  • クラスでの教科係で積極的に動く
  • 英語スピーチコンテストや弁論大会に出る

先生に好印象を与え、早めに覚えてもらうには積極的に役職に就き動く姿勢を見せることが欠かせません。そのためには役職に就き、先生と顔を合わせるまたは会話する機会を増やしていくことが大切です。

「内申点稼ぎ」と陰口を叩かれるかもしれませんが、オール5に近い受験生との争いになる進学校、トップ高校を目指す場合は内申点が低いのは大きなハンデとなります。合格を引き寄せるには、子どもができそうな役に立候補しリーダーシップを発揮するのが望ましいです。

委員会や生徒会に入りたくないという引っ込み思案な子は教科係に就くことがあります。その際は、先生に事前の準備や宿題などを質問しクラスに伝える役割をしっかり担当しましょう。

賑やかでも責任感のない生徒は印象が悪くなります。無口で控えめだけれどやるべきことをちゃんとやるということは「自分の役割を全うしている」と思われ、言われたことをやり、気配りをすることで「責任感のある生徒」と目に映ります。

「内申点アップ」の戦いは地道な戦い

合否ラインでは内申点の良し悪しも加味されます。

「成績が良ければ授業態度が悪くても大丈夫」という時代ではありません。筆記試験の点数が合否を分けることに疑いの余地はありませんが、合否ラインでは内申点の良し悪しも加味されます。

成績が出るのは3学期制の学校では年3回、2学期制の学校では年2回と限られています。定期テスト、そして普段の授業態度や役職に就くなど子どものできることを精一杯取り組ませて内申点を上げていくようにしましょう。

参考資料

  • 文部科学省「学習評価に関する法令等の規定、資料等」(PDF)

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