遺跡の報告書完了と虚偽報告、不適切な会計処理も 姫路の埋蔵文化財センター職員3人を処分

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 兵庫県姫路市教育委員会は25日、遺跡の発掘調査報告書の作成が完了したと偽り、市内の印刷業者に委託費約333万円を支払う不適切な会計処理をしたとして、市埋蔵文化財センター(同市四郷町坂元)の館長(59)を減給1カ月の懲戒処分にした。発掘担当の職員2人も戒告処分とした。

 市教委によると、同センターは2022年度、姫路駅周辺遺跡と同市網干区和久の和久遺跡の報告書を同年度末までに各300部作成する予定だった。だが原稿執筆が終わらず、職員が館長に相談。館長は業者に暫定版の報告書などの作成を依頼する一方、市会計課には業務が完了したとする虚偽の報告をしていた。

 市教委の聞き取り調査では、18~22年度に作成された報告書の一部でも納品前に業者への支払いがあったと証言する職員がいた。市教委は生涯学習部長と別の発掘担当の職員2人を訓告、同4人を厳重注意、同2人を口頭注意とした。

 市教委の村田泉教育総務部長は「年度内の予算執行が必須という思い込みが職員らにあった。チェック態勢を強化したい」とした。(真鍋 愛)

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