老犬の危険な『吐き方』4つ すぐに病院へ行くべき症状や予防するための対策まで

わんこはよく吐く!危険な吐き方とそうでないもの

わんこはそもそもよく吐く動物です。そのためたとえシニア期の老犬であっても、吐いたからと言って全てを全て心配する必要はありません。正しく心配するための知識としてまず知っておきたいのが、「吐く」という行為の中でも「吐出」と「嘔吐」で違いがあるということです。

1.吐出

吐出とは、口から入ったものが胃に達する前に吐き戻すことです。食べたものがそのままの形で吐き出されるのが特徴で、多くは食べたものが喉に詰まったことが原因ですが、食道に何らかのトラブルを抱えている場合もあります。

2.嘔吐

一方、嘔吐は胃まで達したものを吐き戻すことを言います。食べたものと一緒に胃液を吐いたり、空腹状態の場合には胃液だけを吐くこともあります。原因は胃腸炎や膵炎などの疾患から、精神的ストレスやアレルギー反応など、さまざま考えられます。

吐出の場合であっても嘔吐の場合であっても、危険性はそれぞれのため見極めは難しいところもあります。ただし下記のような症状が見られる場合には、病気が原因の可能性や急を要する可能性がありますので、すぐに動物病院を受診しましょう。

3.繰り返し吐く

時たま吐くのであれば大きな問題ありませんが、1日に何回も吐く、あるいは1週間の間に何回も吐くなど高頻度で繰り返し吐いてしまう場合には、何らかの看過できない原因が隠れている可能性があります。

4.血や赤いものを吐く

どす黒い血や鮮血を吐く、あるいは血液が混じったような赤いものを吐くといった場合には、消化器官の疾患の影響が考えられます。

5.明らかに元気がない

吐いた後に意識を失ったり朦朧としている場合、また明らかに元気を失っていつも通りに動けないような場合には、通常の吐出や嘔吐ではないリスクが考えられます。

6.吐く以外にも症状がある

ただ吐くだけでなく食欲がなかったり下痢をしている、熱や咳のような症状があるなど、気になる症状が他にも出ている場合には、それらの症状に共通した原因があるのかもしれません。

吐かせないための予防策

いくら病気が原因でなかったり危険な吐き方でなかったとしても、愛犬が吐いている姿を見るのは心配です。また体力の落ちている老犬にとっては、「吐く」という行為に使う体力も貴重なものであることは否めません。

下記のことに注意し、愛犬がなるべく吐かずに済むよう予防できると安心です。

1.ごはんの量や形状に注意する

老犬が吐出してしまう原因としては、やはりごはんの影響が大きく考えられます。若い頃には問題なく咀嚼して飲み込めていたフードでも、年をとって噛む力や飲み込む力が衰えた結果、食べにくいフードになってしまっているのかもしれません。

ごはんの吐出が増えた場合には、ごはんの量や形状を変えてみるといいかもしれません。

2.ごはんの間隔を空けすぎない

ライフステージにかかわらず、空腹状態が続くと嘔吐してしまう子は多くいます。空腹が原因で嘔吐を繰り返す場合には、ごはんとごはんの間隔が空きすぎていると考えられます。

ごはんの時間を見直す、おやつを挟む、自動給餌器を利用するなどして空腹にならないよう調節できるとベストです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?老犬になると否応なく、さまざまな健康問題が襲ってきます。できるだけ長く愛犬と暮らせるよう些細なことにも気を遣いたいところですが、過剰に心配しすぎると飼い主さんも疲れてしまいます。

危険な症状とそうでない症状を見極められるよう、正しい知識を身に付けたいですね。

(獣医師監修:平松育子)

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