斎藤工「後世に残すべきだな」新番組『こどもディレクター』4月3日スタート 初回ゲストはYOU

斎藤工が出演するドキュメントバラエティー番組『こどもディレクター ~私にしか撮れない家族のハナシ~』が、4月3日(水)23時59分から(水曜プラチナイト枠内)日本テレビほかにて放送開始。第1回目のゲストは俳優のYOU。児童養護施設で育ち、結婚式をひかえた新郎の模様をお届けする。

この番組は、『あなたにカメラを渡すので、家族を取材してきてもらえませんか?』というテーマの元、“両親にずっと聞けなかったこと”“伝えたいこと”“謝りたい事”“ウチの家族だけの文化”など、家族への“タブー”や“疑問”をあなた自らがディレクターとなり取材し解決するドキュメントバラエティー。

■結婚式目前の新郎 離れ離れで暮らした母へ…

第1回目のこどもディレクターは、結婚式目前の20代夫婦。新郎が母に今まで踏み込めなかった質問を通して、親子のかけがえのない瞬間やスタッフでは撮影することができない家族だけの空間を、スタジオで斎藤工とゲストのYOUが見守る。

斎藤工、YOU

新郎は小学6年生から児童養護施設で育ち、その時から母と離れ離れで暮らしているという。そんな新郎にカメラを渡すと、新婦と楽しく結婚式の準備をする様子や、義母と1度も会ったことがない新婦の思い、そして結婚式当日、弟や児童養護施設で長年お世話になったスタッフの方からの温かい言葉が記録されていた。

今回のこどもディレクター・20代夫婦

さらに、結婚式の数日後、母を自宅に招待することに。今だから話すことができる親子の本音が詰まっていて…。「施設で過ごして離れて暮らしていた時、どう思っていた?」。

■斎藤工「この番組が積み上げてきたものと、可能性をより感じました」

収録後、斎藤工、番組の監修・上出遼平、演出・北山流川(中京テレビ放送)にインタビューが行われた。

――改めて、今回レギュラー番組となったお気持ちは?

斎藤 スペシャル番組の時のある種の気楽さから、深度に変わっていて。だからこそ、ここまで何かのきっかけを生み出せる可能性があるのかもしれないと、今回の放送を見て気づいてくださる方が、もしかしたら前回以上にいらっしゃるんじゃないかな。ハードルとしては、軽くはないんですけど、だからこそ「(話すのは)今かもしれない」って思ってくれる方に届くんじゃないかな。この番組が積み上げてきたものと、可能性みたいなものをより感じました。

斎藤工

北山 まずは、とてもうれしいのと、特番を含めてこれまですごく勇気を持って家族にカメラを向けてくれたこどもディレクターの皆様のおかげで、レギュラー化させてもらえたので、本当にありがとうございます。見終わった後に、見てくださった方の大切な人を思える番組にしたいです。出演された方が「よかったな」って思ってもらえるように丁寧に作り続けていきたいです。

(左から)番組の監修・上出遼平、演出・北山流川

上出 番組を作っていく中で、一番気をつけていることは、こどもディレクターとして出てくれた人たちのこと。放送後どういう結果になるのか、常に注意しています。レギュラー化して全国放送になればなるほど、たくさんの方に関わってもらえて強いインパクトを与えることになるので、すごい緊張感があります。継続の中で麻痺(まひ)していくこともありうるし、制作陣の疲労の中で、ないがしろになってしまう可能性もあると思う。僕の役割はそこをとにかく責任を持って“チェック機関”として注意をしていこうと思っています。

――レギュラー番組になったことで、様々なこどもディレクターと出会う機会が多くなります。

斎藤 とはいえ、前回も思っていたんですけど、僕がスタジオでできることって限られているし、座って映像を見て、思いを寄り添わせることしかできない、見守ることしかできないですけど…監修の上出さん、演出の流川さんたちが作ってくださった装置的なものは、後世に残すべきだなと思っています。このポジションが僕でなくても…(笑)むしろここに見守る人がいなくても成立するような番組になっていったら良いなって、今日も強く思いました。

――今回も斎藤さんがご出演ということについて

北山 特番の時に僕自身もこどもディレクターを経験して。その時に温かい言葉をかけてくださったり、見ている表情だったり、見守ってくださっている安心感がものすごくあって。ほかのこどもディレクターの皆さんにとっても心強いと…だから絶対いなくなるなんて言わないでください(笑)

上出 番組の1つの特異性は、我々もディレクターだし、カメラを渡された人はそこからディレクターだし、斎藤さんって監督もされているので、これだけディレクターだらけの映像ってない。相当変でおもしろい…(笑)僕たちもスタジオの斎藤さんの反応を見て「そこか!」と思うこともあって。お茶の間でのシーンで、常にテレビがついているリアリティーが、ほかの番組だったら「これどうする?切りたいよね」みたいになるけど、ここでは新しい目線で肯定されていく。スリリングな体験として経験していて…映像をやりたい人の教科書的なことになるってことでいいですか?(笑)

――斎藤さんが今カメラを渡されたとしたら…どこで誰に取材をしますか?

斎藤 この番組からの刺激ってすごく大きくて。なぜなら日々向き合っている映像って非現実の空間に虚像を作ってくることだと思うんです。最もそこから対極にあるのが、この番組で写る自宅や実家のリビングの空気だったり。誰の格言か忘れましたが…「あなたが求めているそれは、あなたが避けているものの中にある」という言葉とつながると思っていて。得意とするものに、何かを積み重ねていくと「失敗したくない」「恥をかきたくない」とか、守り戻ってきてしまう。そうではなくて、賛否あるかもしれないけど、自分なりに擦りむいて、かさぶたみたいなところが唯一の成長の伸びしろなんじゃないかなと思っていて。そういうことを、背中で見せてくれている上出さん流川さんたちの乗組員になれていること自体、僕も何かを作る時この番組から大いに影響を受けています。だから、一番カメラを向けたくない場所にカメラを向けてみることから始めると思います。そこに人がいるのかいないのかわからないですけど、カメラという武器を何に向けて構えるか、強さと弱点をこの番組で学んでいるので…。あとは上出さんの『ありえない仕事術』という本を読んでいただければ良いと思います(笑)すべて書いてあります!

上出 恥ずかしい!(笑)

――番組のトークやゲストについて

斎藤 見るVTRの尺と番組の放送尺がほぼ一致しているから、オープニングとエンディングはほぼ使われないだろうという気軽さはあります(笑)ありがたいことにゲストの方々がいてくださるので、今回だとYOUさんにもこどもディレクターである意見をお伺いするだけでも、視聴者の方とのコミュニケーションにもなるのかな。

初回ゲスト・YOU

僕から出てくるものはもうすでに枯渇しているので(笑)ゲストの方に頼っていきたいなと。誰しもお母さんから産まれているので、シンプルすぎて聞けない質問もスタジオ内でできるっていう特性。そして、VTRを見た後みんながサウナの後のような…(笑)邪気というか、何か出ていっている。それぐらい自分と向き合っている時間なんです。その時間をゲストの方と共有することが視聴者の方と何かつながると信じています。

『こどもディレクター ~私にしか撮れない家族のハナシ~
2024年4月3日(水)23時59分スタート
毎週水曜 23時59分~24時29分
※日本テレビ系28局+TOS・UMK 30局ネット

出演者:斎藤工
企画・演出:北山流川(中京テレビ放送)
監修:上出遼平

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