【DeNA】楠本泰史、幕開ける勝負の7年目 「若い子たちのプレーで一喜一憂しない」

志願してファームの試合に出場した横浜DeNAの楠本=14日、横須賀スタジアム

 「シーズンは何が起こるか分からない。他人の結果や取り組みは変えられないので、自分のやれることに集中したい」。横浜DeNAの楠本泰史外野手(28)は数少ないチャンスと向き合い、開幕に向けて最善の準備を進めている。

 14日のイースタン・リーグの春季教育リーグ楽天戦(横須賀)。そこに若手と共に汗を流す楠本の姿があった。「やっぱり打席に立ちたい。わがままかもしれないけど、ファームの試合に出場させてほしいと(首脳陣に)お願いしていた」と志願の出場機会だった。

 春季キャンプはB班(2軍)で宮崎、大和らベテラン勢らと一緒に調整した。オープン戦に入ると、1軍ではドラフト1位ルーキー、度会(ENEOS)や3年目の梶原ら同じ左の外野手による猛アピールが続いた。言うまでもなく毎年入ってくる新戦力は頼もしい同僚であり、自身の立場を揺るがし得るライバル。「やはりどうしても若手が注目される。ここで『いいな』と思ってもしょうがない。若い子たちのプレーで一喜一憂しないことを年始に決めた」と、焦る心を制御しながら自分自身にフォーカスしてバットを振り続けた。

◆パドレス松井に刺激受け

 海の向こうでは仲間の挑戦もあった。20日に韓国で開幕2連戦を迎えた米大リーグ、パドレスの松井は小中学校の同級生。「誰でも行ける舞台ではない。友人ではあるけど、一野球人として頑張ってほしい」とデビュー戦をテレビ観戦し、試合後には祝福メッセージを送った。松井から「いきなり連投はきついってー(笑)」と冗談まじりの返信が届き、充実している様子が楠本自身の大きな刺激となった。

 17日の同ロッテ戦(浦和)で左太ももの違和感で途中交代し戦線離脱も危惧されたものの、22日からの札幌遠征に帯同し、26日も横浜スタジアムでの全体練習にも参加した。「やれると判断して(1軍に)残してもらったので、あとは責任持ってやらないといけない」と回復を強調し、開幕を見据えている。

 「プロ野球選手でいられる時間は有限。後悔のない時間を過ごしたい」。背番号37の勝負の7年目が幕を開ける。

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